世界初の全編が動く油絵で構成される珠玉のアートサスペンス映画『Loving Vincent(原題)』が『ゴッホ~最期の手紙~』の邦題で10月より全国で順次公開されることが決定した。
ファン・ゴッホの名画の数々が彼自身の死の真相を再構築する―好色家、狂人、天才、怠け者、様々なレッテルを貼られた印象派の巨匠ファン・ゴッホ。彼の人生は、残された手紙によって明らかにされているが、その中で「われわれは自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」と書いている。ゴッホの最期を描いた本作は、彼の絵画をモチーフに、まず実際の俳優が演じる実写映像として撮影され、その後、世界各国から集められた総勢125名のアーティストによって、約65,000枚の油絵へと生まれ変わり、全編が動く油絵によって構成される圧巻の体感型アートサスペンス映画となった。正にゴッホの言葉通り、彼の絵画によって彼自身を語らせる、世界初の試みとなった。
俳優たちは、ゴッホの絵画に似せて特別に作られたセットで、あるいは撮影後にCGアニメーションでゴッホの絵と合成するためにグリーンバックで演技をした。各俳優の特徴を残しつつも、絵画に登場する人物の風貌や雰囲気を伝え、著名な肖像として油絵で再現された。ダグラス・ブース、ヘレン・マックロリー、シアーシャ・ローナン、エイダン・ターナーなどの豪華キャストたちは、その姿と演技によってゴッホの名画に新たな命を吹き込んだ。撮影監督にウカシュ・ジャル、トリスタン・オリヴァーなど経験豊富な映画スタッフが配され、さらに劇中音楽はクリント・マンセルが担当し、作品に彩りを添えた。本作はアヌシー国際アニメーション映画祭にてワールドプレミア上映され観客賞を受賞しており、上映終了後10分間以上もスタンディングオベーションが続いたという。
なお、本年は7月20日(木)~10月9日(月・祝)に東京都美術館で開催される「ボストン美術館の至宝展 ― 東西の名品、珠玉のコレクション」で、映画本編にも登場するゴッホの描いたジョゼフ・ルーランと、その妻オーギュスティーヌの肖像画が日本で初めて夫婦揃って展示される。さらに10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)には、浮世絵をはじめとする日本美術に影響を受けたゴッホを多角的に捉えた展覧会「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が同じく東京都美術館で開催される。映画本編に出てくるゴッホが最晩年に交友を持ったオーヴェールの医師ガシェ。ガシェ家にはゴッホ作品の多くが残され、多くの日本人の文学者や美術家がオーヴェールへ赴いた。日本初公開となる、ガシェ家に残された三冊の芳名録や、それに纏わる美術作品なども目玉のひとつ。
郵便配達人ジョゼフ・ルーランの息子アルマンは、パリへ届ける一通の手紙を託される。それは父の友人で自殺した画家ゴッホが、彼の弟テオに宛てたものだった。テオの消息を追う内にその死を知るが、それと同時に募る疑問が一つ。ゴッホの死の本当の原因は何だったのか?そしてこの手紙を本当に受け取るべき人間はどこに―?
映画『ゴッホ~最期の手紙~』は2017年10月よりTOHOシネマズ六本木ほか全国で順次公開!
監督・脚本:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
出演:ダグラス・ブース、ロベルト・グラチーク、エレノア・トムリンソン、ジェローム・フリン、シアーシャ・ローナン、クリス・オダウド、ジョン・セッションズ、エイダン・ターナー、ヘレン・マックロリー
配給:パルコ
© Loving Vincent Sp. z o.o/ Loving Vincent ltd.