日本でいち早くフランス映画の新作を観ることが出来る機会となるフランス映画祭。第25回目の今年は、フランスの国民的女優カトリーヌ・ドヌーヴが「フランス映画祭2017 団長」に就任し、主演作『ルージュの手紙』を引っ提げて来日する。さらに昨年本映画祭の団長を務めたイザベル・ユペールがアカデミー賞主演女優賞にノミネートされた主演作『エル ELLE』で来日するほか、バラエティ豊かなフランス映画が連日上映される。
フランス映画に存分に浸れる4日間の幕開けとなるオープニングセレモニーには、作品ゲストのほか、主催のユニフランス代表・会長、さらに本映画祭の親善大使を務める北野武が登壇した。
セレモニーでは、主催者であるユニフランスの会長と代表の挨拶に続き、本映画祭の団長として来日したカトリーヌ・ドヌーヴのトリビュートフィルムが上映。観客から盛大な手が起こる中で登壇したドヌーヴは「ここに来れて嬉しく思います。今回11作品が選ばれており、4作品が女性監督のものです。これは重い意味を持っていて、この選択に賛同します」と挨拶し、この日集まった観客に笑顔を見せた。続けて、会期中に上映される作品ゲスト9名が次々と登壇。華やかなステージに、観客からは惜しみない拍手が送られた。
さらに本映画祭の親善大使を務める映画監督の北野武が登壇。北野は豊洲問題などで笑いを誘いつつ、「僕は、ジャン・ギャバンから始まって、イザベル(・ユペール)さん、カトリーヌ(・ドヌーヴ)さんの『昼顔』や『シェルブールの雨傘』などに影響を受けています。親子で楽しめる映画もいいんですけど、映画を見た後に恋人や友達同士で話し合って、(映画の)見方をお互いに考えるという役目もあると思う。フランス映画はそういう意味で、語りやすい。今回25回目を迎えたことは素晴らしく、壇上で挨拶させてもらえることは光栄です」と深々とお辞儀し、登壇者へも敬意を表した。
セレモニーの終了後には続けて、オープニング上映作品となる『ルージュの手紙』の舞台挨拶が行われ、主演のカトリーヌ・ドヌーヴとマルタン・プロヴォ監督が登壇した。プロヴォ監督は「自由な女性と、自由ではない女性を描いています。だんだんとお互いと見出し始める映画です。カトリーヌ・ドヌーヴと一緒に来れたことを嬉しく思います」と笑顔で語り、主演のドヌーヴは「皆さんを感動させ、笑わせてくれる映画です。人生について、命とは何か、死とは何かについて語っていますが、いつもとは違う切り口でその内容を伝えています。どうぞお楽しみください」とメッセージを送った。
《オープニングセレモニー登壇者》
『ルージュの手紙』
カトリーヌ・ドヌーヴ、マルタン・プロヴォ監督
『エル ELLE』
イザベル・ユペール、ポール・ヴァーホーヴェン監督
『あさがくるまえに』
カテル・キレヴェレ監督
『夜明けの祈り』
ルー・ドゥ・ラージュ、アンヌ・フォンテーヌ監督
『パリは今夜も開演中』
エドゥアール・ベール監督
『エタニティ 永遠の花たちへ』
トラン・アン・ユン
ユニフランス
イザベル・ジョルダーノ代表、ジャン=ポール・サロメ会長
フランス映画祭2017 親善大使
北野武
【取材・写真・文/編集部】
「フランス映画祭2017」は2017年6月22日(木)~25日(日)に有楽町朝日ホール、TOHOシネマズ日劇にて開催!