公開前から映像が解禁されるたび大きな話題を呼んできた本作がついに迎えた公開初日。今回の舞台挨拶では、天才結婚詐欺師・古海健児を熱演し、俳優としての新境地を開いたディーン・フジオカが、映画のテーマである大人の恋愛、そして映本作に注いだ情熱を語ったほか、当日の来場者全員に「夢が叶う」という花言葉をもち映画のテーマカラーである青いバラを感謝を込めてプレゼントするサプライズ。古海の女性への愛情を感じられるイベントとなった。
映画を見終わったばかりの観客に“ディーンになら騙されてもいい方?”という問いに「はーい!」という声が上がるほど作品に浸っている観客で埋め尽くされた会場の通路からディーンらキャストが登壇すると、場内には大きな歓声が響き渡った。ついに公開初日を迎えたことについて「まだ公開していなかったのが意外なくらい」と感慨深げに挨拶したディーン。柊子は「撮影が昨日のことのように刻み込まれた作品になりました」と語った。劇中では、主人公でありながら“結婚詐欺師”という役どころを演じるディーンは、特に大変だったシーンについて「ピアノのシーン」と即答。事前に録音等をせずにすべて現場で録った音を使っていることを明かした。
詐欺師でありながら応援する声すらも聞こえるディーンだが、役との共通点を聞かれると「犯罪はしたくないからああいう生き方はしたくない」と笑いを誘いつつ「俳優の仕事はお芝居をしてそこに説得力を持たせること。詐欺師は法律を破っているので真逆ではあるけど、実は近いんじゃないかなと思います」と語り「違いは犯罪者か犯罪者じゃないか」と自身の解釈を明かした。また、柊子は「ディーンさんの笑顔は見ていてつられてしまう。同じ笑顔でも(役である古海の笑顔とは)違うなと思う」と語った。一方で貫地谷は「ギャップを見れるほどの(撮影の)期間がなかった」と残念がったが、ディーンとのキスシーンを振り返り「雨に打たれている中なので、ディーンさんの背が高いから私の口に雨が入ってきて溺れそうになりました」と笑いを誘った。
続けて“大人の色気”について話が降られると、萬田は「作り出すよりも醸し出すものかな」と語りつつ、悩むキャスト陣。そこで西谷監督が沈黙破るかのように「果物の腐る直前というか、一番おいしいとき」とコメントすると、キャストからは「腐りかけ(笑)」とその表現方法に笑いが止まらない様子。再び萬田が「『小さな恋のメロディ』という映画があるけど、あの二人が本当に純粋な恋愛で、今でも私はしたいなって思いますね。駆け引きなしで」と例を挙げると、キャストは同意するようにうなずいてみせた。また、ディーンは「限りある命を意識できているかどうかが大人の関係性かな。終わりを分かっている人同士がそういう関係になるのが大人の恋愛なのかな」と語りつつも、答えが出せない様子だった。
最後にディーンは「一回見て楽しんでいただいて、二回目は(自身が演じる)古海の心境で、三回目は女性の目線で見ていただいて、あとは何度でも繰り返し見て、ひとりでも多くの人にこの映画の魅力を伝えていただきたいです」と本作をアピールして、イベントを締めた。
直木賞作家・井上荒野が「結婚詐欺」を題材に、騙す男と騙される女たちの孤独と欲望を描いた長編小説を実写映画化した本作。主役の古海健児を演じるのは、ディーン・フジオカ。あらゆる女性を大人の色気で翻弄する魅惑の結婚詐欺師を演じる。古海健児の相棒役には、NHK連続テレビ小説「まれ」での熱演が話題となった新鋭女優・柊子が抜擢された。
DEAN FUJIOKA 1st. EP「Permanent Vacation / Unchained Melody」7月5日発売
※映画主題歌は「Permanent Vacation」
【取材・写真・文/編集部】
映画『結婚』は全国で公開中!
監督:西谷真一
原作:井上荒野「結婚」(角川文庫刊)
出演:ディーン・フジオカ、柊子、中村映里子、松本若菜、安藤玉恵、古舘寛治、萬田久子、貫地谷しほり
配給:KADOKAWA
©2017「結婚」製作委員会