人気俳優が揃う機会ということもあって、大勢のファンで埋め尽くされた会場。登壇した斎藤工は「厳粛な空間でふざけたら怒られそう・・・」と言ったものの、ファンからの“いいよ!”という声に「これ、ボタンが大きいんじゃなくて、体が小さいという可能性も考えていただきたい」と服を見せたが、隣に立つ向井理がすかさず自身の服のボタンを見せ「ボタンが大きいんです」と斎藤が謝罪し、笑いを誘いながら始まった本イベント。
池井戸潤が原作の本作への出演に「社会派の作品に出させてもらうのは光栄。楽しみと同時にセリフが大変だと思ったが、台本を読んで愕然としました」と、本格的な社会派作品を描くことで定評の池井戸作品ならではの細かいセリフに驚いていた様子。また、斎藤は「日本の銀行事情がすどい濃度で動いた時代を切り取った作品。参加できるワクワク感はありました」と同じくセリフ量には驚いたものの、それ以上に参加できる喜びがあったことを明かした。今回が4度目の競演となる向井と斎藤だが、同じ年ということもあり「親近感のわく人。いきなりうちに来ますし。同じ時代を生きているので、話さなくても深く分かりあっている」と仲の良さを明かした。
向井演じる階堂彬の父親・一磨役を演じる石丸幹二は「キャラクターがすごすぎて自分を使わなかった」というほど完璧な人間を演じたが、向井は撮影時について「チャーミングで、花粉症がつらいという話や、(石丸が劇団四季在籍時に演じた)『美女と野獣』の野獣が大変だったという話を聞かせていただいて楽しかった」と振り返った。また、先日上海国際映画祭にて、それぞれ別の作品で登壇した斎藤と田中麗奈だが、斎藤は「(田中は)中国語がペラペラなんです」と驚いたようで田中は「謝謝」と中国語で返し、場内からは拍手が起きた。
また、向井演じる階堂彬の弟・龍馬役の賀来賢人は「撮影現場は和気あいあいとしていた。向井さんは役者としても男の先輩としても話をしてくださった。大事なシーンの前にも話しかけてしまって申し訳なかったなと・・・」と現場の雰囲気の良さを感じさせた。三度目の共演となる向井と賀来だが、向井は「セリフ以上にプライベートな話をした」と明かした。
イベントの終盤では、“運命を感じた瞬間は?”という質問が投げかけられ、賀来は「今は仲直りしたんですけど、兄と仲が悪かったのが役と共感できたので、『アキラとあきら』という作品に出会えたことが運命」とコメント。斎藤は、イベントの前日に見た「やべっちF.C.」(テレビ朝日系列)で向井が「サッカーチームを応援していると言っていて、僕も同じチームを80年代から応援していた。ボールボーイをしていたと言っていたので、役者の前に同じ空間にいたんじゃないか」とまさに“運命の出会い”だったかもしれないというエピソードを明かした。
最後に斎藤は「今から見ると過去ですが、この時代の事情を知ることで、これから先のことが見えるドラマだと思う。今、そして未来につながっている素晴らしいドラマです」と本作をアピールし、向井は「子ども時代の接点など、二人の成長物語が軸になっていると思う。リアリティがあって、どんどんスピードが上がっていく瞬間を目撃してほしいと思います」とメッセージを送った。
池井戸潤の“幻”の長編”と呼ばれていた「アキラとあきら」がオリジナル文庫「アキラとあきら」(徳間書店刊)として発売されるのに合わせてドラマ化。スリリングな展開と重厚な人間ドラマをじっくりと堪能できる全9話。大企業の御曹司として、約束された次期社長という“宿命”にあらがう階堂彬。父の会社の倒産、夜逃げなど過酷な“運命”に翻弄されながらも理想を育んだ山崎瑛。2人の人生は、何かに導かれるように交差する。反抗、親友との別れ、肉親の死、初恋、受験、就職、成功、挫折―。人生のキーワードを盛り込みながら、激動の時代を背景に“宿命”のドラマを描く。彬役を向井理、瑛役を斎藤工がW主演で演じる。
【取材・写真・文/編集部】
「連続ドラマW アキラとあきら」は2017年7月9日(日)よりWOWOWプライムにて放送開始!(全9話)
※第1話無料放送
※毎週22:00放送開始
監督:水谷俊之、鈴木浩介
原作:池井戸潤「アキラとあきら」(徳間文庫)
出演:向井理、斎藤工、小泉孝太郎、田中麗奈、賀来賢人、木下ほうか、堀部圭亮/松重豊/瀧本美織、永島敏行、尾美としのり、石丸幹二