『光』は、河瀨直美監督がオリジナル脚本で送り出す最新作。主演は、国内外で活躍する俳優・永瀬正敏。2度目のタッグとなる本作では、弱視の主人公・雅哉を演じ、葛藤の中で希望の光を求めさまよう男を演じている。さらにヒロインには、新進女優として注目されている水崎綾女。バリアフリー映画の音声ガイドとして、その光の中に生きる意味を見出していく女性・美佐子を演じる“映画”というもうひとつの人生を観客と共有するべく音声ガイドの制作にたずさわる美佐子は視覚障碍者向け映画のモニター会で弱視のカメラマン、雅哉と出逢う。映画の光に導かれるように二人は、衝突を繰り返しながらも互いの心をゆっくりと通わせていく―。
今回劇場公開が決定した『その砂の行方』は、映画『光』の劇中で使用された部分だけではなく、一つのオリジナル映画として製作された16分の短編作品。脚本から撮影に至るまで、河瀬監督をはじめ、本編と同じチームが手掛け、キャラクター設定やストーリーも細部まで作り込まれている。本作の監督は、本編『光』に登場する藤⻯也演じる北林という設定。運命の女性に囚われ、過去に執着する男・重三を、その北林自らが熱演し、認知症の妻・時江役を神野三鈴が演じている。
『その砂の行方』目の前から消えてしまうものほど、美しい―。かつてサンド・アートで一世を風靡した吉原重三(北林(藤竜也))は、年老いて、今は妻・時江(神野三鈴)とともに、人里離れた場所で暮らしている。認知症を発症した時江は、度々家を抜け出し徘徊していたが、その度に重三は時江を強引に連れ戻すのだった。重三は時江と2人でこの家に留まることに固執していたのだ。しかし、ある朝目覚めると時江の姿はどこにもなかった。焦燥感に駆られた重三は、家を離れ、20年ぶりに駅に向かう。聞け䜀、朝一番の電車に老女が乗ったという。 飛び乗った電車で海辺の町に着いた重三。どこまでも続いているかのような砂浜を、時江を求めてただひたすらに歩き続ける。そして、砂の斜面を上り詰めた重三が、そこで見たものとは―。
『その砂の行方』
上映日:2017年6月30日(金)、7月1日(土)
劇場:シアター・イメージフォーラム
※本編『光』と併映
※以降の上映スケジュールは 本作公式サイトにて随時告知
また、6月30日(金)16:00上映回(本編上映後)、18:45上映回(本編上映前)には、藤⻯也、神野三鈴による舞台挨拶が決定。
映画『光』は全国で公開中!
監督・脚本:河瀨直美
出演:永瀬正敏、水崎綾女/神野三鈴、小市慢太郎、早織、大塚千弘/藤竜也
配給:キノフィルムズ
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