マーティン・ブレゲンツァー、今村彩子監督

現在開催中の「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017」で開催の特別企画「ヨーロッパから見た日本映画」において、7月18日(火)にトークイベントが行われ、「ニッポン・コネクション」のプログラム・ディレクターであるマーティン・ブレゲンツァーが登壇、さらに上映作品『Start Line』の今村彩子監督が緊急登壇した。

SKIPシティ国際Dシネマ映画祭は、2004年にスタートして今年で14回目を迎える。デジタルシネマにフォーカスし、若手映像クリエイターの登竜門として、映像表現の可能性とエンターテインメント性を備えた作品を上映する国際コンペティション映画祭。メインとなるコンペティション部門は、長編部門、短編部門、アニメーション部門が設けられている。

特別企画「ヨーロッパから見た日本映画」は、ドイツ・フランクフルトで毎年開催されている世界最大の日本映画祭「ニッポン・コネクション」と連携し、同映画祭でニッポン・ヴィジョンズ観客賞を受賞したドキュメンタリー映画『Start Line』を上映するほか、同映画祭のプログラムディレクターを務めるマーティン・ブレゲンツァーとSKIPシティ国際Dシネマ映画祭の土川勉ディレクターによるトークイベントが行われた。

2011年より「ニッポン・コネクション」の映画プログラムチーム及び映画祭運営チームに所属しているブレゲンツァー。ブレゲンツァーがプログラム・ディレクターを務める「ニッポン・コネクション」は、17年に渡り開催されており、2016年の第16回では100本以上の日本映画が紹介され、16,000人を超える来場者を記録している。そんな同映画祭についてブレゲンツァーは「日本映画に最初に触れたのはドイツで深夜に放送されていたテレビアニメ」と振り返り、最初に映画館で観た日本映画は『もののけ姫』だと言う。現在の日本映画については「インディペンデント作品におもしろい作品が多い」と語ったものの「一年で400本くらい観ますが、同じテーマの作品が多い」とも言う。さらに、最近では「石井裕也監督の『映画 夜空はいつでも 最高密度の青色だ』は視覚的なスタイルに非凡さがありおもしろかった」と語った。

「ニッポン・コネクション」は世界最大の日本映画祭と呼ばれているが、その生い立ちについては「大きな映画会社で作った映画以外はフランクフルトで上映されることなかった」という事情があったからだと明かした。また、自身が期待する日本映画について聞かれると「私たちのミッションは、日本映画の多様性を見せることだと思う。いま日本映画で何が起きているのかをすべて見せたい。時代劇が減っているのはなぜかなとは思っています」と語った。

ここで、急遽会場に駆け付けた上映作品『Start Line』の今村彩子監督が登壇した。今回の『Start Line』のほかにも過去に監督作が「ニッポン・コネクション」で上映された経験のある今村監督は「今回は観客賞をもらえて嬉しく思います。また、(この会場の)大きなスクリーンで上映されて嬉しいです」と笑顔を見せ、さらに劇中で自身とともに旅した“日本縦断中”と書かれた旗を取り出し「今日は名古屋から自転車で来たかったんですが、新幹線で来ました(笑)」と冗談を交えてコメントした。

マーティン・ブレゲンツァー

今村彩子監督

長谷川敏行プログラミング・ディレクター、マーティン・ブレゲンツァー、土川勉映画祭ディレクター

マーティン・ブレゲンツァー、今村彩子監督、土川勉映画祭ディレクター


「SKIPシティ国際Dシネマ映画祭2017」は2017年7月15日(土)~23日(日)にSKIPシティ 映像ホール(埼玉県川口市)ほかにて開催!