最低な人間たちがあぶりだす“究極の愛”の物語である本作。沼田まほかるの20万部を超える同名人気ミステリー小説を原作に、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌監督が初めて本格的な大人のラブストーリーに挑む。主演は蒼井優と阿部サダヲ。「登場人物がみんな最低すぎて誰にも共感できないし、不快。なのにページをめくる手を止められない!」とイヤミス女王と言われる沼田まほかる原作の共感度ゼロな最低な女と男を蒼井と阿部が演じ切る。撮影は昨年10月8日から約1か月間、原作の舞台である大阪を中心とした関西で行われた。
今回、本作の予告編と場面写真が一挙解禁された。予告編は、仕事も自堕落な生活を送る嫌な女・北原十和子(蒼井優)を取り巻く最低な男達が映し出されていく。十和子に毛嫌いされながらも、ゾンビの様に追いかける下劣な男で、“異常なほど十和子を愛する男・佐野陣治(阿部サダヲ)”。家庭があるにも関わらず誠実を装い“十和子と不倫関係となる男・水島真(松坂桃李)”。他の女との結婚話を隠して自らの保身のために十和子を利用していたにも拘らず“十和子が忘れられない昔の男・黒崎俊一(竹野内豊)”。
三者三様の男に翻弄される十和子の元に、突如あらわれた刑事が「黒崎が5年前から失踪している」という驚きの事実を告げると物語は一変。愛し合った在りし日の思い出を捨てきれず、ずっと引きずりつづけていた十和子は呆然するが、共に暮らす陣治はその事実を知りながら黙っていた事が発覚する。「十和子を弄ぶ奴、傷つける奴は絶対に許さへん」と言い放つ陣治に対して、十和子は疑心暗鬼になっていく―。共感度0%、不快度100%、限りなく観るものを不愉快にさせるキャラクター達が起こす行動が果たしてどう“究極の愛”へと繋がっていくのか“あなたの恋愛観を変える”程の驚きと心揺さぶるラストがどのようなものか。いっそう気になる仕上がりとなっている。
また場面写真では、散らかり放題の部屋の中で、不機嫌な表情で電話をかける十和子の姿や、怒りに震えながら陣治に土下座をさせる様子など、2人の主従関係と、綺麗とは言い難い生活ぶりを垣間見る事が出来る。一方で、イケメン時計販売員の水島に接客を受けながら女性らしい表情を浮かべる十和子の姿や、神社の境内と思しき場所でアゴを寄せキスを迫られる瞬間、また黒崎と肩を寄せ合いながら満面の笑みを浮かべる男女の関係性を映し出した場面など、十和子が“女性”として喜びを感じている瞬間ばかり。そんな十和子にまったく振り向いてもらえずとも愛を誓う陣治の、電車車両のドアから何かをのぞき込む不気味なショットや、十和子に黒崎失踪の事実を伝えた刑事を睨みつけるなど、愛とは程遠いと思える表情が写し出されている。
映画『彼女がその名を知らない鳥たち』は2017年10月28日(土)より新宿バルト9ほか全国で公開!
監督:白石和彌
原作:沼田まほかる「彼女がその名を知らない鳥たち」(幻冬舎文庫刊)
出演:蒼井優、阿部サダヲ、松坂桃李/村川絵梨、赤堀雅秋、赤澤ムック、中嶋しゅう/竹野内豊
配給:クロックワークス
©2017映画「彼女がその名を知らない鳥たち」製作委員会