第14回ラテンビート映画祭が東京・大阪・横浜で10月5日(木)より順次開催されることが決定した。
ドキュメンタリーからフィクションまで幅広いラインナップでたくさんの観客を楽しませてきたラテンビート映画祭(LBFF)。14回目を迎える今年は巨匠カルロス・サウラ監督がスペイン北東部の民族舞踊・ホタの世界を鮮やかに描いた『Jota de Saura(原題)』、アレックス・デ・ラ・イグレシア製作『スキン』のほか、本格的心理スリラー『Most Beautiful Island(原題)』、本年度ベルリン国際映画祭初監督作受賞の『夏、1993』など最新のスペイン映画をラインナップした。
ほかにもマイケル・ウィンターボトムが監督を務める、英国のコメディ俳優2人のグルメ旅『The Trip to Spain(原題)』や、パブロ・ラライン監督によるノーベル文学賞受賞作家パブロ・ネルーダの実話を大胆に脚色した話題作『Neruda(原題)』、また、在ペルー日本大使公邸占拠事件をヒントに書かれた小説が原作となるオペラを映像化した『ベル・カント』など、バラエティに富んだ作品が上映される。全上映作品やイベント情報は順次発表される。
上映作品(一部)
『Jota de Saura(原題)』
監督:カルロス・サウラ
出演:サラ・バラス、ミゲル・アンヘル・ベルナ、カルロス・ヌニェス
配給:レスペ
(2016年/スペイン/ドキュメンタリー/90分)
スペイン映画の巨匠カルロス・サウラ(『フラメンコ・フラメンコ』)はスペインのフラメンコ、アルゼンチンのタンゴ、そしてポルトガルのファドというように、各国の伝統音楽・舞踊にスポットを当て、数々の名作を送り出してきた。そのサウラ監督が今回選んだのはスペイン北東部の民族舞踊「ホタ」。若きダンサーから老齢の男女の踊り、サラ・バラス、ミゲル・アンヘル・ベルナといったフラメンコの名ダンサーの妙技、そしてガイタ(ガリシアン・バグパイプ)奏者カルロス・ヌニェスの名演奏・・・。音とステップ、独特の映像美を絶妙に組み合わせた極上の音楽ドキュメンタリーである。
『スキン』(原題:Pieles)
監督:エドゥアルド・カサノバ
出演:カンデラ・ペニャ、アナ・ポルボロサ、カルメン・マチ
(2017年/スペイン/ドラマ/77分)
サマンサ、ギジェ、アナ、クリスティアンの4人は、自分の肌や顔の一部が他の人とは違うという共通点がある。彼らはめったに外に出ず、陰の世界で生きることを余儀なくされている。フリークスたちの悲哀にスポットをあてた異色の人間ドラマ。『スガラムルディの魔女』(LBFF2014出品)のアレックス・デ・ラ・イグレシアとカロリーナ・バング夫妻がプロデュースを務めている。
『Most Beautiful Island(原題)』
監督・出演:アナ・アセンシオ
出演:ナターシャ・ロマノヴァ、デヴィッド・リトル
(2017年/アメリカ/スリラー/80分)
米国に不法滞在する若い女性ルシアナは、ニューヨークで新しい生活をスタートさせる。昼間は平穏に暮らしていたが、夜になると彼女の生活は一変。ルシアナは中華街の地下で密かに行われていた危険なゲームに身を投じる―。16ミリカメラで盗撮されたかのようなドキュメンタリータッチのカメラワークで、危険に晒された女性の不安感をあぶり出すエロティック心理スリラー。スペイン出身の女優アナ・アセンシオが監督・主演を務めている。
『夏、1993』(原題:Estiu 1993)
監督:カルラ・シモン
出演:ライア・アルティガス、パウラ・ロブレス、ブルーナ・クシ
(2017年/スペイン/ドラマ/97分)
1993年の夏。母親との辛い別れの後、6歳の少女フリーダはバルセロナから遠く離れたカタルーニャ地方の叔父の家族に引き取られる。叔父の家族は暖かく彼女を受け入れるが、フリーダは母との思い出にすがる日々を送る。ゆっくりと悲しみを受け入れ、自分を取り戻していく少女の成長を、やさしい視点で描いている。2017年のベルリン国際映画祭では、ジェネレーション部門作品賞と初監督作品賞を受賞している。
『The Trip to Spain(原題)』
監督:マイケル・ウィンターボトム
出演:スティーヴ・クーガン、ロブ・ブライドン
(2017年/イギリス/コメディ/115分)
英国のコメディ俳優スティーヴ・クーガンとロブ・ブライドン。腐れ縁の二人は、グルメ記事の取材でスペインを訪れる。のどかな田園風景と極上の料理とワイン、若い美女たちとの語らい。そして、中年男二人が放つジョークだらけの不毛な会話―。中年俳優コンビのグルメ珍道中を虚実織り交ぜながらコミカルに描いたシリーズ『スティーヴとロブのグルメトリップ』『イタリアは呼んでいる』に続く第3弾。監督は『イン・ディス・ワールド』『天使が消えた街』で知られる英国の巨匠マイケル・ウィンターボトム。
『Neruda(原題)』
監督:パブロ・ラライン
出演:ルイス・ニェッコ、ガエル・ガルシア・ベルナル、メルセデス・モラン、アルフレド・カストロ
配給:東北新社
(2016年/チリ・アルゼンチン・フランス・スペイン・アメリカ/ドラマ/107分)
チリの国民的詩人で共産党員のパブロ・ネルーダは、1948年に成立した独裁政権から迫害を受け、地下に潜伏する。ネルーダの逮捕を命じられた刑事は、彼を追跡するうちにネルーダの詩の魅力に強く吸い寄せられていく―。ネルーダと彼を執拗に追う刑事の実話を大胆に脚色した異色のサスペンス。ノーベル文学賞受賞作家パブロ・ネルーダは日本でも大ヒットしたイタリア映画『イル・ポスティーノ』の老作家のモデルとしても知られている。監督は『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』『NO』(LBFF2013出品)のパブロ・ラライン監督。ネルーダを追う刑事をガエル・ガルシア・ベルナルが演じている。
『ベル・カント』(原題:Bel Canto)
監督:ケヴィン・ニューベリー
出演:ダニエル・ドゥ・ニース、チャ・ジョンチョル、ジェナイ・ブリッジス
(2015年/アメリカ/オペラ/約180分予定)
南米のある国で開かれたパーティー会場が反政府ゲリラに占拠され、主賓である日本企業の社長やゲストとして招かれた著名なオペラ歌手らが人質となる。長い膠着状態の中、ゲリラと人質との緊張関係に少しずつ変化が生まれる。1996年に起こった在ペルー日本大使公邸占拠事件をヒントに書かれたアン・パチェットの小説が原作のオペラを映像化。キューバ系アメリカ人でピュリツァー賞受賞劇作家ニロ・クルスとペルー出身の作曲家ジミー・ロペスが手掛け、米国で高い評価を得た。歌曲は英語、スペイン語、日本語、そしてペルー先住民族の言語であるケチュア語など多言語で歌われている。
会場・日程
【東京】新宿バルト9
2017年10月5日(木)~9日(月)、10月13日(金)~15日(日)
【大阪】梅田ブルク7
10月21日(土)・22日(日)
【横浜】横浜ブルク13
11月2日(木)~11月5日(日)
チケット発売
数量限定回数券が チケットぴあにて8月11日(金)より販売開始
「第14回ラテンビート映画祭」は2017年10月5日(木)より東京・新宿バルト9、大阪・梅田ブルク7、横浜・横浜ブルク13で順次開催!