宇野維正、ヨン・サンホ監督

『新感染 ファイナル・エクスプレス』のトークイベントが8月17日(木)に都内で行われ、来日中のヨン・サンホ監督が登壇した。

ヨン・サンホ監督は韓国アニメ界を代表するクリエイターで、実写初挑戦となった本作をダイナミックな映像感覚と繊細かつドラマチックな語り口を披露し、興行と批評の両面で画期的な成功を収めた。イベントでは、ヨン監督のこれまでの作品や本作の魅力について語られた。

本作が実写映画監督デビュー作となるヨン監督。これまでにアニメーション映画を3本撮っているヨン監督だが「俳優もスタッフも最高の実力を持っている方々で、私が初めての実写映画を撮るために困ることがないように気遣ってくださった」とキャストやスタッフを称賛。そのキャストについて「ソグ役のコン・ユさんは最初から念頭に入れていて、シナリオを送ってから2~3日後にお会いし、別れて20分後に返事をいただいた」とかなり早い段階で主役が決まったことを明かし「マ・ドンソクさんとチョン・ユミさんは作品選びが厳し方と聞いていましたが、シナリオを送ってから少ししてから“やります”とお返事をいただいた」と初の実写映画で良いキャスティングが出来たことを明かした。

本作の前日章としてヨン監督のアニメーション映画第3作にあたる『ソウル・ステーション/パンデミック』があるが「『ソウル・ステーション』の撮影中に“実写版を撮らないか”という提案をいただいた」といい「アニメーションで撮っているので、翌日の朝から話が始まるKTXを題材にして撮るのはどうかと提案した」と本作の始まりを語った。本作の撮影にあたっては「大きな映画を演出してほしい」という依頼があったといい、実写一作目から大作を撮影できたことを明かした。また、本作ではゾンビをテーマに扱っているが、先日亡くなった“ゾンビ映画の第一人者”と言えるジョージ・A・ロメロ監督については「誰もがゾンビ映画を撮れるように、起源を未知のものにしてくれた。それによって作り手が想像する余地を残してくれたのは大きな遺産だと思う」と感謝の気持ちを明かした。

また、ヨン監督は子どものころからアニメをよく見ており「日本のアニメでも、今敏(こん・さとし)監督が好きで、初期のリアリズムに基づいた作品が大好き」と明かした。しかし、現実的には韓国のアニメ市場の小ささから「あまりにも小さすぎてアニメに戻るのは難しいと思う」と残念そうに語り、反対に海外での撮影については「一本の映画を撮るために完璧に関われるという条件があればどこに行っても撮りたい」と意欲を見せた。

最後にヨン監督は「この映画のおかげで以前撮ったアニメーション作品も日本で公開していただけて嬉しい。子供のころからアニメ監督になるのが夢でしたので、これまでの作品は日本のアニメから影響を受けています。その日本で私の映画を観ていただけるのは感慨深いです。日本のお客さんがどう観てくれる気になっています」と日本への思いとともにメッセージを送った。

世界156か国から買い付けオファーが殺到し、世界中で話題を呼んでいるノンストップ・サバイバル・スペクタル・アクション映画である本作。早くもアメリカでのリメイクも決定している。高速鉄道の車内で突如起こった感染爆発(パンデミック)密室の中で凶暴化する感染者たち。死を目の前にして、偶然乗り合わせた乗客らは安全な終着駅にたどりつくことができるのか―。

ヨン・サンホ監督

ヨン・サンホ監督

ヨン・サンホ監督

ヨン・サンホ監督


映画『新感染 ファイナル・エクスプレス』は2017年9月1日(金)より全国で公開!
監督:ヨン・サンホ
出演:コン・ユ、チョン・ユミ、マ・ドンソク
配給:ツイン
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