秋葉原で起こった連続殺傷事件をモチーフに、社会で生きる人々が抱える孤独や闇を描いていた本作。ミスiD2015にてミスiD賞を受賞してマルチに活躍中の篠崎こころと、「勇者」と「アイドル」を融合した新感覚アイドルグループ「オトメブレイブ」のメンバー・安城うららがダブル主演を務める。監督は本作が劇場長編映画デビューの松本優作。小規模予算ならがも、4Kカメラを使用して撮影され、秋葉原の街と人々の織り成すドラマを密度の高い映像と繊細な色彩で表現している。
今回、本作がノミネートされたモントリオール世界映画祭へは、ワールドコンペティション部門に三島有紀子監督作品『幼な子われらに生まれ』がノミネートされている。本作がノミネートされた1stフィルムコンペティション部門は、その名の通り初監督作品を対象としており、ほかに学生国際コンペティションも用意されている。モントリオール世界映画祭は、1977年より毎年8月下旬~9月上旬にかけて開催されており、今年の開催で41回目を迎える。国際映画製作者連盟公認の国際映画祭で、世界12大国際映画祭の一つ。トロント映画祭と並び、競争力のある映画祭とされている。
第41回モントリオール世界映画祭は、8月24日[現地時間]~9月4日[現地時間]に開催。本作は、モントリオール世界映画祭での上映が、国外における初上映となり、これを皮切りに9月のレインダンス映画祭などでの上映が行われる。また、日本での公開は2017年冬を予定。
舞台は秋葉原。リフレ店で働く地下アイドル・桜田美沙(篠崎こころ)、女子高校生・山本里恵(安城うらら)、運送業アルバイトの予備校生・大橋健(鈴木宏侑)の3人はそれぞれ、過去のトラウマや、家族との関係、現在・将来の言いようのない不安と悲しみを抱えていた。孤独や絶望の淵を彷徨い、希望を喪失してしまう大橋と、危うい誘惑と欲望に翻弄される美沙と里恵。行き場を失くした彼らに、都会に孕む狂気と重圧が、容赦なくのしかかっていく。何の接点もない彼らだったが、それぞれの時間と空間が、交差して重なりだした時、物語は後戻りの出来ない臨界点をむかえる。日本のポップカルチャーの聖地であり、今や世界のアキハバラとなった若者たちの街・秋葉原。しかし、ここは9年前、世界を震撼させた無差別殺傷事件の現場でもある。あの事件の真相とはなんであったのか、犯人は何故あのような事件を起こしたのか。もしかすると、あの凄惨な事件の被害者、そして加害者にも成りえた、「普通の人々」が織り成す、狂気と混乱、そして再生への物語。
映画『Noise』は2017年冬公開!
監督・脚本:松本優作
出演:篠崎こころ、安城うらら、鈴木宏侑、岸建太朗、來河侑希、日向すず、真中のぞみ、川連廣明、武田一人、太田信悟、川崎桜、久住翠希、小林大介、仁科貴、小橋賢児、布施博