『健さん』がモントリオール映画祭最優秀賞受賞した日比遊一監督『ブルー・バタフライ』が12月2日(土)より全国で公開されることが決定した。

昨年公開された監督作『健さん』でモントリオール世界映画祭最優秀賞受賞、日本映画批評家大賞を受賞し、自身の作品がアメリカ サンタ・バーバラ美術館に所蔵されるなど写真家としても活躍する日比遊一監督。本作は、日比監督が1987年以来、活動のベースとするアメリカを舞台にした初の劇映画。社会の底辺で苦しみ、もがきながら、ささやかな幸福の想い出と未来を「青い蝶」に託して生きるメキシコ系の女。それは俳優になる夢だけを携えてアメリカに渡った日比監督が過ごした青春であり、だれにも頼れず貫くような孤独の中で生きる苦悩の記憶でもある。主人公ヤズを演じたのは、Huluの人気シリーズ「East Los High」出演で知られ、自らもニューヨークで生まれ育ったトレイシー・ペレス。本作の撮影を担当したのは、デビット・フィンチャーやジョン・ボーケンキャンプなど多くの監督から信頼を寄せられている谷田ヤス。音楽を渡辺琢磨が手掛ける。

今回解禁されたポスタービジュアルは、主人公ヤズの強く潤む眼差しが印象的で、女優・樹木希林は「この映画には、次の作品を観たいと思わせる何かがある」とコメントを寄せている。ジム・ジャームッシュやスパイク・リーなどニューヨーク・インディーズといわれる監督たちの映画に通底していた天国であり地獄でもあり、自由だけどヒリヒリする感覚。デニス・ホッパーやロバート・フランクに写真を認められ、N.Y.を拠点に写真家としても活躍する日比監督が実話に着想を得て描き出す主人公の内なる叫びに、観客は心を揺さぶられるに違いない。

義父から性的暴行を受けて育ったヤズは、本来の柔和な性格が一変し、心やさしい義兄のマニーを利用しながら酒やドラッグに身を任せる荒んだ生活を送っていた。マニーはヤズを守るために犯した罪で仮釈放の身だが、ヤズへの“特別な想い”を隠しながら、困ったときに頼ってくる義妹をなんとか支えようとする。一方、マニーの保護観察官ブレナーは、自分のせいで死んだ実の息子にマニーを重ね、マニーからヤズをひき離すことで彼を立ち直らせようとする。しかしヤズの荒れ狂った行動はさらにエスカレートしていく―。

映画『ブルー・バタフライ』は2017年12月2日(土)よりK's cinemaほか全国で順次公開!
監督:日比遊一
出演:トレイシー・ペレス、イヴァン・カミロ、ジョン・ジューバック
配給:オンリー・ハーツ
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