広瀬すず、役所広司、是枝裕和監督、福山雅治、ルドヴィコ・エイナウディ

『三度目の殺人』が第74回ヴェネチア国際映画祭に出品、9月5日[現地時間]に記者会見が行われ、是枝裕和監督、福山雅治、役所広司、広瀬すず、音楽を担当したルドヴィコ・エイナウディが参加した。

本作が出品されたのは、8月30日から開催中の第74回ヴェネチア国際映画祭コンペティション部門。世界最古の歴史を誇るヴェネチア国際映画祭だが、是枝裕和監督作品としては第52回ヴェネチア国際映画祭(1995年)に監督デビュー作にして金のオゼッラ賞を受賞した『幻の光』(1995)以来22年ぶり、2回目のコンペティション部門での出品となる。『そして父になる』から4年、是枝監督と2度目のタッグとなる福山雅治を主演に、是枝組初参加となる名優・役所広司を迎えた本作。是枝監督が近年描いてきたホームドラマから一転し、かねてより挑戦したいと考えていた法廷を舞台にした心理サスペンスを引っ提げての参加となる。

日本から参加した是枝裕和監督、福山雅治、役所広司、広瀬すずに、音楽を担当したルドヴィコ・エイナウディが加わり5名で臨んだ記者会見。「ガラス一枚隔てて向き合った男ふたりが言葉を交わさない時間、何かが止まって見えるその瞬間にいろんなものが動いて見える、実際は動いてないのに心の奥で何かが動いて見えるというのを丁寧に丁寧にやろうと思った」と全編を通してスローな展開ながらもスリルやサスペンスが持続していることへの秘訣を語った是枝監督。

音楽を担当したエナウディについて是枝監督は「きっかけは海外の映画祭を回っていた時にたまたま飛行機に乗って聞いた曲が彼の曲で音を聞いていたらすごく風景が浮かんだんです。特に 水、火 雪とか」と明かし「その時は名前が読めなかったのですが、メモして日本に戻ってアルバムを買って、今回は脚本を書きながらずっと彼の曲を聞いていました。なのでサウンドトラックをお願いしたというよりかは、本の段階からこの音楽は絡まっています。すごく映画の中から生まれているような気がします」と振り返った。

また「僕自身是枝監督、是枝作品のファン」と福山は「監督の映画作りの現場はすごく手作り感があり、原案、脚本、監督、編集をやられていて全ての工程を俳優として参加しながら、その現場を一番近くで見られるというのは僕にとってこの上ない贅沢な経験であると同時に、すごく刺激を受ける現場です」と語り、続けて「是枝監督という一人の人間を通して、そして映画製作を通して監督がどういう目線でこの人間社会を、人間を見つめているのかというのを知る機会を与えていただいています」と是枝監督への感謝の気持ちを明かした。

“親子の関係性”に言及することが多くある是枝作品だが、本作では「少女だからこそ見える大人の方の言葉、行動、母への思いなど色んなものを客観的に見ていました。お母さんが話す言葉を一字一句聞き逃さないように、ずっと話を聞いて、徐々にニュアンスが変わっていったり、どこか自分をかばうように話す姿を見て、また感情が生まれたりしていました」と演技に臨んだ気持ちを明かした広瀬。役所は「監督から頂いた脚本と撮影の最終日まで脚本が変更になって、監督がどの方向に私たち俳優を導いてくれるのかというのが手に取るようにわかりましたので、それをひとつの手掛かりになんとかやりきることができました」と語った。

『そして父になる』(2013)の是枝裕和監督と福山雅治の2度目のタッグとなる心揺さぶる法廷心理ドラマである本作。勝利にこだわる弁護士・重盛が、やむをえず弁護をすることになった殺人の前科がある三隅。「負け」が決まったような裁判だったが確信が揺らいでいく重盛。本当に彼が殺したのか?弁護士・重森を福山雅治、殺人犯・三隅を役所広司が演じ、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功らが脇を固める。

是枝裕和監督

福山雅治

役所広司

広瀬すず

ルドヴィコ・エイナウディ


映画『三度目の殺人』は2017年9月9日(土)より全国で公開!
監督:是枝裕和
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功
配給:東宝、ギャガ
©2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ