1960年代後半において、演劇、映画、文学とマルチに活躍し、今もなお注目され続ける寺山修司が唯一遺した長編小説「あゝ、荒野」。この“心の荒野”を見つめた傑作小説を話題作で主演を務める若手実力派俳優・菅田将暉と韓国の名優ヤン・イクチュンをW主演に迎え、現代に訴えるキーワードを取り入れ再構築し映画化した本作。2020年東京オリンピック後の近未来を舞台に、“人々の心”をせつなくも強烈な青春ストーリーとして鋭く描き出すのは『二重生活』で高い評価を得た岸善幸監督。
今回、言葉の天才・寺山修司を現代に甦らせた本作『あゝ、荒野』の魅力を凝縮した特別映像が解禁された。トレーニングに励む貴重なメイキングシーンや菅田、ヤン、ユースケのインタビューなどが約3分半にまとめられている。菅田とヤンはお互いの印象について、菅田「ヤン・イクチュンって、やっぱりあぶねぇな、と思いました。もちろんいい意味で!」、ヤン「(菅田さんは)本能的に演技をする、エネルギーを感じる」と振り返っている。二人がボクシングを始めるきっかけを作り傍らでいつも見守っていた掘口役を演じたユースケは「(この映画を)スポ根ものって受け取る人もいるけど、そうじゃなくて・・・、これはもう『あゝ、荒野』なんですよ」と熱く語っている姿は必見だ。
併せて、第22回釜山国際映画祭「アジア映画の窓」部門への出品が決定した。10月12日より開催される第22回釜山国際映画祭。名実ともにアジア最大級を誇る同映画祭に、岸善幸監督は本作で初参加となる。また、アジアの若手監督の才能を見つけ出し、アジア映画の成長をサポートすることに生涯を捧げていた釜山国際映画祭の創設メンバーであり、惜しくも今年急逝したキム・ジソク氏の名を冠せた「キム・ジソク特別賞」が今年から新設され、『あゝ、荒野』もノミネートされた。10月14日に公式上映、菅田将暉、ヤン・イクチュン、岸善幸監督の参加が予定されている。
菅田将暉 コメント
岸監督、スタッフ、キャスト全員が命を削り、本気で挑んだこの作品が日本をはじめ、世界中の方々にもご覧頂けるという素晴らしい機会をいただき本当に嬉しく思っています。この熱量が多くの人に伝わるのではないかと今から楽しみです。
ヤン・イクチュン コメント
この作品が、釜山国際映画祭に参加できるようになったこと、誠に嬉しく、そして誇らしく思います。私たちの映画、【あゝ荒野】は、日本だけでなく、全世界の観客にも十分共感できるものだと確信しています。
岸善幸監督 コメント
この作品を携え、菅田将暉さんとヤン・イクチュンさんとともに、釜山映画祭に参加できることを嬉しく思います。5時間を超えるこの物語が、世界の観客の皆さんにどのように受けとめてもらえるのか、今からとても楽しみです。
映画『あゝ、荒野』は2017年10月7日(土)より前篇、10月21日(土)より後篇が連続公開!
監督:岸善幸
原作:寺山修司「あゝ、荒野」(角川文庫)
出演:菅田将暉、ヤン・イクチュン、木下あかり、モロ師岡、高橋和也、今野杏南、山田裕貴、でんでん、木村多江/ユースケ・サンタマリア
配給:スターサンズ
©2017『あゝ、荒野』フィルムパートナーズ