熊澤尚人監督、清野菜名、松坂桃李、吉高由里子、佐津川愛美、清原果耶、Rihwa

『ユリゴコロ』の初日舞台挨拶が9月23日(土)に新宿バルト9で行われ、吉高由里子、松坂桃李、佐津川愛美、清野菜名、清原果耶、熊澤尚人監督が登壇した。

初日を迎えた感想を問われた吉高は「自分が引きずられた作品でもあるので、こうやって今キラキラな笑顔でいらっしゃるみなさまは、本当に映画を観終わった後なのかという気持ちになっています。自分も摩耗した作品でもあるので、たくさんの人に観ていただけると嬉しいなと思います」とコメント。クライマックスのシーンについて問われると「あれ2日間かけて撮ったんですけど、もう2日間ずっと泣きっぱなしで、こめかみが切れるんじゃないかというくらい涙腺を絞り出して。毎カット毎カット大変でした」と撮影の苦労を振り返った。

松坂は「ようやく『ユリゴコロ』の初日を迎えることができて本当に嬉しいです」と喜びを見せ、作品について「過去パートを見た時まず思ったのが“あぁ・・・俺も過去パートちょっとやりたかったな・・・”とちょっとだけ思いました」と吐露した。作品について「過去パートと現代パートを2つの言葉で分けるなら“静と動”みたいなものがあって。静かな流れの中で動いていく感情や空気感があって、“こっちも肌で感じてみたかったな”と思うくらい空気感がすごかったので、いいなと思いました」と語った。

”純愛とは何か”というお題が出されると、清原は「まだ人生経験が少なくて、具体的なエピソードは無いんですけど、今幸せだとしても、その思う人のためには辛い選択もしなきゃいけないことが純愛ということなのかな…」と恐る恐るコメントすると、吉高からは「素晴らしい!」とエールを送られた。松坂にも同じ話題が振られると「うちの母親に親父が言ったプロポーズの言葉が、なんかこう・・・おふくろが立って親父が土下座するような感じで“僕は、君と結婚できなきゃ死ぬ!”って言ったみたいで。最初それを聞いた時は、“うわうわうわ・・・ドラマのセリフでもないよそんなの!”と思っていたが、今思い返すとそれぐらい想いが強かったんだなって思って。それが純愛かな」と振り返り、これに吉高は「純愛のような脅迫のような(笑)まあ、愛は凶暴なので」と笑いを誘った。吉高は純愛について「20歳を過ぎてお酒のCMをいただいて、ハイボールというCMあたりをやっているんですけど、日本でも海外でも家でも外食してもハイボールという純愛を貫いています」とコメントし、会場を笑わせた。

イベントでは、本作の主題歌『ミチシルベ』を歌ったRihwaがゲストとして登壇し生歌披露をした。Rihwaはこの曲について「愛が持つ暗闇の部分を表現させていただきました。映画のテーマがなければ自分からは出てこなかったので、自分にとっても新しい曲になったと思うし、吉高さんが言ってくれた“新しいステージ”に行けた曲になったんじゃないかと思います」と喜びを見せた。吉高は生歌を聞いた感想を問われると「どうですか皆さん!」と観客へ問いかけ、拍手が巻き起こった。さらに「すごい気持ちいい、うっとりする壮大なラブストーリーの歌だなと思います。もし私が(Rihwaのような)声を出せるなら、毎回自分の映画の主題歌を歌いたい」と大絶賛した。

最後に吉高は「大ヒットしなければ御礼舞台挨拶もないと思いますので、もう一度この場を設けさせていただけるのならば、どうかみなさまご協力のほどを・・・」と笑いを誘い、熊澤監督からは「主人公の美紗子を演じた吉高さんなくしては、このユリゴコロは作れなかった作品です。冗談抜きにして吉高さんが血を流しながら涙を流しながら熱演していただいたお陰で出来上がりました。僕自身、吉高さん主演の100年残る代表作だと思っています」と感謝を述べると、会場から大きな拍手が送られた。

ある家族、余命わずかな父の書斎で見つかった一冊の日記。そこに綴られていたのは、ある殺人者の手記。これは事実か、創作か。いったい誰が、何の為に書いたのか。ショッキングなミステリーを入り口に置きながら、物語は一転、壮絶な愛の物語へ辿り着く。美紗子は悲しみの連鎖の果てに何を願うのか?2012年に大藪春彦賞受賞や本屋大賞ノミネートをはたした沼田まほかる原作を、『君に届け』(2010)『近キョリ恋愛』(2014)などを手がけた熊澤尚人監督が映画化。主演は、5年ぶりの主演作となる吉高由里子。人間誰もが持っている“心の拠り所”、それが生まれながらに“人間の死”であった女・美紗子を演じる。

【取材・写真・文/蔭山勝也】

吉高由里子

松坂桃李

佐津川愛美

清野菜名

清原果耶

Rihwaの歌唱シーン


映画『ユリゴコロ』は全国で公開中!
脚本・監督:熊澤尚人
原作:沼田まほかる「ユリゴコロ」(双葉文庫)
出演:吉高由里子、松坂桃李/松山ケンイチ、佐津川愛美、清野菜名、清原果耶/木村多江
配給:東映/日活
©沼田まほかる/双葉社 ©2017「ユリゴコロ」製作委員会