兄弟の絆を取り戻す旅を描いたコミックを実写化した『鋼の錬金術師』でアルフォンス役の声を新人俳優・水石亜飛夢が演じることが発表された。

壮大なスケ―ルと世界観に想像を超えるストーリーで世界を魅了し、“ハガレン”現象を巻き起こした荒川弘原作コミック「鋼の錬金術師」。幼い頃に亡くなった母に会いたいという想いから兄エドと弟アルは“人体錬成”の理論にたどり着くが、それは錬金術師にとって絶対に犯してはならない禁忌だった―。主人公エドを山田涼介、ヒロインのウィンリィ・ロックベル役に本田翼、“焔の錬金術師”の名を持つロイ・マスタング役にディーン・フジオカが名を連ねる。

今回、主人公エドの弟アルの声を新人俳優・水石亜飛夢が演じることが発表された。水石亜飛夢(みずいし・あとむ)は、ミュージカル「テニスの王子様2nd season」(2012~15)、主演を務めた「星の王子様」(2015)などで活躍し、TVドラマ「牙狼 ~魔戒ノ花~」(2014)に準主役、「ロンリのちから」(2015)にメインキャストで出演。映画では『武曲 MUKOKU』(2017)で注目される期待の新人俳優だ。

弟アルは幼少期、亡くなった母を生き返らせようと兄エドと共に“人体錬成”を試み失敗。アルは身体全部を代価として“持っていかれて”しまい、とっさの判断でエドは右腕と引き替えにアルの魂だけをなんとか錬成。近くにあった鎧に魂を定着することで一命を取り止めたため、アルは魂のみの存在となり肉体を持たない。

今回全編に渡ってエドとアル兄弟の絆の物語を描くため、フルCGで制作されたアルはとても重要な役どころだ。撮影現場でモーションキャプチャーを演じる役者に選ばれたのは、100名を超えるオーディションでダントツの存在感を示した水石。芽生え始めた不信感を兄にぶつける激しい兄弟喧嘩のシーンは、もはや吹き替えなど不要なほどの見事な出来栄えで、このシーンのあまりの完成度の高さに、水石にそのままアルの声を担当してもらうことが決定した。屈強な鎧姿の見た目のゴツさとは裏腹に、兄のエドと違い素直かつ温和で心優しい性格を持ち、水石さんが声を吹き込むことで、無機質なCGのキャラクターではなく、人間のような息遣いを感じることの出来るキャラクターに仕上がった。

新人俳優大抜擢の理由について曽利文彦監督は「水石くんは、山田くん演じるエドと演技を交わすCGアルのスタンドインとしてオーディションで選ばれました。撮影前はCGアルの声優は水石くんではなく、別の方をイメージしていました。ただ撮影が進むにつれ、彼のスタンドインとしての演技があまりに素晴らしく、特に兄弟喧嘩のシーンを撮影したとき、山田くんと水石くんの絶妙なコンビネーションを見て、アルの声優は水石くんで行こうと決めました。ですから、今回の大抜擢は、水石くんが実力で勝ち取ったものです。アニメ版アルの声優の釘宮さんが実写映画をご覧になり、映画はもちろん、水石アルを大絶賛してくださったので、水石くんと一緒に飛び上がるほど喜び、私たちの判断が間違っていなかったことを確信しました」とコメント。まるで本当の兄弟や幼なじみのように関係をはぐくんだ山田と本田も、この大抜擢を知らされた際、まるで我が事のように跳び上がって喜んだという。

また原作者の荒川弘も「エドとアルの二人の兄弟がそこにいました。胸を打つ素晴らしい演技でした。撮影中はアルの代役という立場でありながら、山田さんとの掛け合いがとても素晴らしいかったことから起用に繋がった。まさにアメリカンドリームのようなストーリーです。青年に成長したアルは、きっとこんな声になるんだろうなって思います」と水石が演じるアルを大絶賛している。

映画『鋼の錬金術師』は2017年12月1日(金)より全国で公開!
監督:曽利文彦
原作:荒川弘「鋼の錬金術師」(「ガンガンコミックス」)スクウェア・エニックス刊
出演:山田涼介、本田翼、ディーン・フジオカ、蓮佛美沙子、本郷奏多/國村隼、石丸謙二郎、原田夏希、内山信二、夏菜、大泉洋(特別出演)、佐藤隆太/小日向文世/松雪泰子
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会