暴力団対策法成立以前の昭和63年の広島を舞台に、所轄署に配属された男が暴力団との癒着を噂される刑事とともに事件の捜査を行う。常軌を逸した操作を行う刑事、さらに事件を発端に対立する暴力団組同士の抗争が激化し―。原作は、今もっとも注目されるミステリー作家の一人である柚月裕子。監督は、『凶悪』『日本で一番悪い奴ら』の白石和彌。主演を役所広司、さらに松坂桃李、真木よう子、石橋蓮司、江口洋介、滝藤賢一、田口トモロヲと超豪華なキャスト陣が集結する。
今回、本作に阿部純子が出演することが発表され、白石組初参戦への想いがつまった本人コメントが到着した。映画『二つ目の窓』でスクリーンデビューし、NHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」でもヒロインの友人役という重要な役どころを見事に演じた阿部。本作で演じたのは、松坂桃李演じる日岡を手当てし、親交を深めていく薬局の店員・桃子。それぞれの正義を掲げ激しくぶつかり合う男達の“仁義の世界”で、生き抜く術をもつ彼女は、唯一原作にはない「映画オリジナル」のミステリアスな存在。「呉弁でのセリフに苦労した」という阿部だが、そのコメントからは白石組の“激しさ”に飛び込んだ彼女の決意と本作への自信を窺える。
阿部純子 コメント
撮影を終えた感想
撮影では白石監督や尊敬する役者さんたちにたくさん支えていただきました。作品の猛々しさとは打って変わって、現場は和やかな雰囲気だったので、とても演じやすかったです。唯一苦労したところは、広島の呉弁でのセリフです。微妙なイントネーションの違いなどがあり、時間を見つけては方言指導の方と練習しました。その甲斐もあって、作品で当時の呉が蘇ったのではないかな、と思っています。
完成した作品を見て
正義を貫く男性の背中に心を鷲掴みにされ、ただ身じろぎもせずスクリーンを見つめてしまいました。上映時間があっという間に感じられるほどで した。わたしの役柄は、唯一原作にはない、ミステリアスな存在です。仁義の世界で、生き抜く術を身につけています。そんな女性ならではの強さにも注目していただければ幸いです。このようなインパクトのある映画に参加できて本当に感謝の気持ちしかありません。
映画『孤狼の血』は2018年5月12日(土)より公開!
監督:白石和彌
原作:柚月裕子「孤狼の血」(KADOKAWA)
出演:役所広司、松坂桃李、真木よう子、滝藤賢一、音尾琢真、駿河太郎、中村倫也、中村獅童、矢島健一、田口トモロヲ、ピエール瀧、石橋蓮司、江口洋介
配給:東映
©2018 「孤狼の血」製作委員会