第27回東京国際映画祭より設立された「CROSSCUT ASIA」部門では、アジアの国、監督、テーマなどに焦点を当て、アジア映画の特集上映が行われている。4年目となる今年はASEAN設立50周年を迎える事を記念して、これまでのタイ、フィリピン、インドネシアに続き、東南アジアの映画13本10プログラム(長編9本、短編4本)が幅広く紹介される。フィリピンのブリランテ・メンドーサが推薦するHF・ヤンバオの『キリスト』(2016)、シンガポールのエリック・クーが推薦するカーステン・タンの『ポップ・アイ』(2017)、タイのアピチャッポン・ウィーラセタクンが推薦するウィットチャーノン・ソムウムチャーンの『4月の終わりに霧雨が降る』(2012)、カンボジアのリティ・パンが推薦する若手短編集など、東南アジアの映画界を牽引する名監督が、直々に推薦する若手監督たちの作品を紹介し、先輩から後輩へとつながる東南アジア映画の系譜に注目。さらに、会期中には各作品の監督や出演者などが来日し、上映後のQ&Aやシンポジウムが予定されている。
今回、国際交流基金アジアセンター presents 「CROSSCUT ASIA #04 ネクスト!東南アジア」の特別予告映像が解禁され、併せて同部門作品鑑賞者に斎藤工のインタビューなどを収めた特別ブックレットが配布されることが決定した。さらに、本特集の上映作品の推薦者であり、東京国際映画祭とも縁が深いブリランテ・メンドーサ、アピチャッポン・ウィーラセタクン、トラン・アン・ユン、そしてエリック・クーよりメッセージ映像が寄せられた。
毎年その内容の充実さが話題を呼んでいる特別ブックレット。俳優、監督として多彩な活躍を見せる斎藤工のインタビューや、最新作『ラーメン・テー~ラーメン×バクテー~(仮)』で斎藤とタッグを組んだエリック・クーによる貴重な描き下ろしイラスト、また本特集の推薦者のひとりであるリリ・リザと新鋭BW・プルバ・ヌガラ(『他者の言葉の物語』)のインドネシア監督対談など、多様な切り口で東南アジア映画の魅力を伝える内容となっている。
メッセージ映像では、ブリランテ・メンドーサは、昨年ワールドプレミア上映を行ったアジア・オムニバス映画製作シリーズ第1弾『アジア三面鏡2016:リフレクションズ』のロケ地・北海道でのエピソードを、エリック・クーは、1997年に自身長編第2作『12階』で本映画祭に初出品し、そこで審査員の一人で大ファンだったアキ・カウリスマキとの思い出等を語っている。さらに、トラン・アン・ユンは自身が審査員を務めた際の喜び、アピチャッポンは映画への熱い思い、これからの本映画祭への期待についてコメントしている。今回、メンドーサ監督をゲストに迎え、推薦作品『キリスト』のHF・ヤンバオ監督らとのシンポジウムも予定されている。
特別予告映像
ブリランテ・メンドーサ監督 メッセージ映像
アピチャッポン・ウィーラセタクン監督 メッセージ映像
トラン・アン・ユン監督 メッセージ映像
エリック・クー監督 メッセージ映像
「第30回東京国際映画祭」は2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!