ジョン・キャメロン・ミッチェル監督、山本耕史

『パーティで女の子に話しかけるには』のジャパンプレミアが10月19日(木)に東京・新宿ピカデリーで行われ、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督、山本耕史が登壇した。

今回、ジョン・キャメロン・ミッチェル監督は、オリジナルキャストであり日本初上演となる「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」舞台への出演と、本作のプロモーションのために7年ぶりの来日。ミッチェル監督とともに登壇した俳優の山本耕史は、2007年、2008年、2009年の3度に渡り同舞台でヘドウィグを演じ、ミッチェル監督とは2008年のジョイントライブで共演しており、今回9年ぶりの再会となる。

この日、ヴィヴィアン・ウエストウッドの衣装に身を包まれて登場したミッチェル監督は「日本の観客の心に響くことを願っています」と笑顔で挨拶。この作品を撮るきっかけについては「無理やりやらされた」と冗談を交えつつ「以前仕事を一緒にしたプロデューサーが何年もかけて引っ張り込んでくれた」と振り返った。主演を務めたエル・ファニングについては「彼女はプロフェッショナルだし秀でた女優。今までお仕事をした中で一番楽しい女優さんでした」と大絶賛した。また、本作でパンクを描いたことについては「こんな世の中だからこそ、若い方にパンクスピリットを持ってほしい。パンク精神は健康的な反抗心だと思う」と語った。

ここで山本耕史が登壇すると、2人はステージ上で熱いハグを交わし、改めて再開を喜んだ。今回の来日でヘドウィグを演じたミッチェル監督だが、これまでに3度同役を演じた山本は「僕はなるべくジョンが演じたヘドウィグに近づけようと思って演じた。あとからやらせていただいたけど、勝手に同志だと思っています」と明かした。これに対してミッチェル監督は「世界中のヘドウィグを演じた方とお会いすると、目が合えばすぐに分かる。それくらい大変な役。たぶん役者人生で一番きつい役どころかと思う」と語った。

本作について「青春時代を思い出して懐かしい部分と、近未来的な部分がある。ジョンの心の中が形になって、アートになってより前に出てきた感じがする」と表現した山本。さらに「もちろん曲もよかったし楽しかった」とミッチェル監督作品にとって欠かせない音楽にも触れた。これに対してミッチェル監督は「小さいころからファンタジーとコミックブックとSFが大好きだったんです。この作品では初めてラブストーリーと融合できた」と笑顔を見せた。

また、青春時代を思い出したという山本だが、自身の青春時代については「ヘドウィグも青春だし、何かに向けてまっすぐに向かった時が青春だと思う。これからも年に関係なく青春を送れると思う。お仕事もそうだし、恋愛もそう。その一つにヘドウィグがある」と改めてヘドウィグへの思いを語った。さらに監督ともどもヴィヴィアン・ウエストウッドの衣装で登場した山本だが「ビジュアルだけ見ても、一つの美術館に迷い込んだ感覚になった」とその美しいビジュアルを絶賛した。

最後に山本は「体感してほしい。アートを見ている感じなったり、恋をしている感じになったり、叶わない思い出を思い出したり。ジョンと共通しているのは、観終わった後に希望があるということ。楽しんでください」、ミッチェル監督は「こう感じて欲しいって言いたくない。みんなが自分で感じたように見て欲しい」とメッセージを送った。

『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』のジョン・キャメロン・ミッチェル監督待望の最新作。遠い惑星から来た美少女ザン役を出演オファーがやまない若手人気No.1女優エル・ファニング。内気なパンク少年エン役を、2015年に史上最年少でトニー賞主演男優賞を受賞した実力派俳優アレックス・シャープ。また、ニコール・キッドマンが若きパンクロッカーたちを仕切るボス的存在を強烈なインパクトで演じる。全ての人が、一番輝いていた甘くて切ない恋と再会できる、音楽とファッションに彩られたラブ・ストーリーの傑作が誕生した。

【取材・写真・文/編集部】

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督

山本耕史

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督、山本耕史

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督、山本耕史

ジョン・キャメロン・ミッチェル監督、山本耕史


映画『パーティで女の子に話しかけるには』は2017年12月1日(金)より新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国で順次公開!
監督・脚本:ジョン・キャメロン・ミッチェル
原作:ニール・ゲイマン「パーティで女の子に話しかけるには」
出演:エル・ファニング、アレックス・シャープ、ニコール・キッドマン
配給:ギャガ
© COLONY FILMS LIMITED 2016