『斉木楠雄のΨ難』の記者会見が10月19日(木)に東京・日本外国特派員協会で行われ、福田雄一監督が登壇した。

「『斉木楠雄のΨ難』はコメディではなく、ギャグもの。こういう映画が受け入れられたら、日本映画の幅は広がるだろうなと思う」と語っている福田雄一監督。多くの外国人記者を前に本作について熱く語った。

父親がお笑い好きだったことか「お笑いの英才教育を受けてきた」と冗談を交えて語る福田監督。そのお笑いに関しては、海外作品にインスパイアされることが多いと明かし、前監督作『銀魂』が中国を含めて海外で大ヒットしたことについても「アメリカでヒットして欲しいと思っている」と熱烈なアピールをする福田監督。しかし外国人記者から「中国では原作が知られていたけど、アメリカではさほど・・・」とツッコまれると、福田監督は残念そうな顔を見せながらも「ドラマでも、国を問わないものをやりたい。『サタデー・ナイト・ライブ』(米NBCの人気番組)の作家をやりたいと何年も前から言ってる」と再び熱烈なラブコールを送った。

また「今よりもアメリカの70年代を想起させる」という記者に「僕がそういうのが好きだから。日本のお笑いがそっちに回帰しているということがあるのかもしれない」と持論を述べた。また、原作が週刊少年ジャンプの連載漫画であることから「子供にも分かる原作なので、難解な笑いというよりは分かりやすい笑い」と語った。さらに「コメディとギャグコメディは別物だと思う。僕はパロディが大好きで、パロディがうまいのはアメリカ。ブロードウェイでもベースはパロデイで出来上がっているものがある。『銀魂』もパロディのネタが多かった。アメリカンコメディの影響だと思っている」と明かした。

話がキャスティングについて及ぶと「僕の映画のキャスティングはほぼ妻がやっています。“何役は誰がいいんじゃないの”と妻から言われて、それをそのままプロデューサーに伝える。『銀魂』は80%に近いキャストを妻が提案した。『斉木楠雄のΨ難』については、“山﨑賢人でいきなさい”と言ったのは妻。まだ有名になる前に、妻が『これから伸びていくから、いい原作があったら彼にやってもらったらどうか』という話があった」と多大な影響を受けていることを明かし、さらに本作については「原作を見つけたのは息子。普段『ワンピース』しか読まないのに、『斉木楠雄のΨ難』があって、読んでみたらおもしろかった」と結果的に家族の協力があって出来上がった作品であることを明かした。さらに「基本的にほぼすべての仕事は妻の指示でやっています。天才なんです。天才の言うことを聞いて、僕が操り人形のように仕事をしている」と語り、場内は笑いに包まれた。

また、記者から「兵馬俑が出てくる」という質問に、福田監督は「あれは本物で、借りてくるの大変だったんです。神戸からトラックで借りてきた。館長が(福田が監督・脚本を務めた)『勇者ヨシヒコ』を好きな方で、監督のためならと貸してくれた」と思わぬ回答に場内は驚きに包まれた。

普通に生きたい。でも、隠しているのはとんでもない超能力―。世界を滅ぼすことができるぐらいの超能力を持ちながら普通の生活を望む高校生・斉木楠雄をコメディ映画に初主演の山﨑賢人、斉木に想いを寄せる照橋心美を橋本環奈が演じ、さらに新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸、賀来賢人、ムロツヨシ、佐藤二朗ら個性豊かなキャストが揃う。監督は、『銀魂』「勇者ヨシヒコ」シリーズを手掛ける福田雄一。一線で大活躍する才能が集結し、とにかく本気でフザけることを突き詰めた学園エンタテインメント超大作に仕上がった。

映画『斉木楠雄のΨ難』は2017年10月21日(土)より全国で公開!
監督・脚本:福田雄一
原作:麻生周一「斉木楠雄のΨ難」(集英社「週刊少年ジャンプ」連載)
出演:山﨑賢人、橋本環奈、新井浩文、吉沢亮、笠原秀幸/賀来賢人、ムロツヨシ、佐藤二朗、内田有紀、田辺誠一
配給:ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=アスミック・エース
©麻生周一/集英社・2017映画「斉木楠雄のΨ難」製作委員会