本作は印象派の巨匠ゴッホの死の謎に迫る、全編が動く油絵で構成された圧巻の体感型アートサスペンス映画。好色家、狂人、天才、怠け者、様々なレッテルを貼られた印象派の巨匠ファン・ゴッホ。彼の人生は、残された手紙によって明らかにされているが、その中で「われわれは自分たちの絵に語らせることしかできないのだ」と書いている。ゴッホの最期を描いた本作は、彼の絵画をモチーフに、まず実際の俳優が演じる実写映像として撮影され、その後、世界各国から集められた総勢125名のアーティストによって、約65,000枚の油絵へと生まれ変わり、全編が動く油絵によって構成される圧巻の体感型アートサスペンス映画となった。まさにゴッホの言葉通り、彼の絵画によって彼自身を語らせる、世界初の試みとなった。
今回、NHK Eテレにて放送中の「びじゅチューン!」にて活躍のアーティスト井上涼から、作品を観てイメージした描き下ろしイラストとコメントが到着した。
井上涼(アーティスト)コメント
ゴッホの絵が動いてる!!という嬉しさが、映画が始まってすぐにこみ上げました。彼が描いたあの人も、あの場所もこの場所も!!!オールキャスト?で登場します。ストーリーは意外なくらいサスペンス調で、引き込まれること間違いなし~。「全員悪人」に見えます。おたのしみに!!
森村泰昌(美術家)コメント
絵を観て楽しむことと、手紙を読んで考えること。絵を描いて喜びを得ることと、手紙を書いて芸術や人生を熟考すること。それらを同時に味わいつつ、本作の観客はゴッホの言わば“目と精神”を追体験することになる。この映画を見てしまったら、もうあなたは“動く絵画”としてしかゴッホの絵を観ることができなくなるだろう。
宇野亞喜良(イラストレーター)コメント
この映画は何百人かのゴッホが描きあげた絵画をアニメートさせる発想だ。あのなつかしい人物たち、タンギー爺さんから郵便配達夫まで・・・それから星空の下のアルルの風景にいたるまでゴッホの絵が生きているのだった。
片岡鶴太郎(俳優・画家)コメント
素晴らしい作品です!!まずこの作品を企画した、プロデューサーに敬意を表します。100人以上の画家にゴッホのタッチの絵を描かせ、それを繋ぎ映像化した作品です。そのアイデア、労力たるや大変であっただろうと推測出来ます。回想シーンはモノクロで描かせ、ゴッホのタッチでは無く、フィルム映像の様に観せます。ゴッホは自殺だったのか!?その真実の謎に迫って行きます。
黒坂圭太(アニメーション作家)コメント
妥協なき圧巻の一大プロジェクト!125名の画家によって描き出されたゴッホタッチの絵は、決して均一化されることがない。それ故に、神と悪魔、大人と子供の多面性を内包した夥しいイメージ群が「ゴッホ的矛盾」と深く絡み合っていく。まさしく画家自身が隣に同席している不思議な感覚に陥り、気がつくと映画は終わっていた。二度三度と観たくなる傑作だ!
シシド・カフカ(ミュージシャン)コメント
彼が想像し得なかったであろう世界が、此処に広がっている。彼自身のタッチで見る彼の人生にはモノを創る人の危うさや苦しみ、優しさが溢れ出ていた。
映画『ゴッホ~最期の手紙~』は2017年11月3日(金・祝)よりTOHOシネマズ六本木ほか全国で順次公開!
監督・脚本:ドロタ・コビエラ、ヒュー・ウェルチマン
出演:ダグラス・ブース、ロベルト・グラチーク、エレノア・トムリンソン、ジェローム・フリン、シアーシャ・ローナン、クリス・オダウド、ジョン・セッションズ、エイダン・ターナー、ヘレン・マックロリー
配給:パルコ
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