10月12日(木)~21日(土)まで韓国にて開催されているアジアを代表する国際映画祭である第22回釜山国際映画祭のガラプレゼンテーション部門(Gala Presentation)に正式出品された本作。19日(木)の公式上映に先駆けて行われた記者会見に是枝裕和監督と主演の福山雅治が参加した。
会見が行われた前日に釜山に到着したという福山は「時間があったので1日街を周ってきまして、いろんなところにいけたので改めて街の魅力を感じながらの映画祭への参加になった」と2回目の釜山国際映画祭への参加を喜んでいる様子。今回、本作のほかに出演するジョン・ウー監督『追捕 MANHUNT』が上映されたことについて「とても光栄で嬉しく思います」とコメント。ジョン・ウー監督と是枝監督について「共通点は、映画に対しての愛情。映画と共に生き、映画と共に人生を全うするんだろうなと感じさせる、愛情と覚悟とでもいいましょうか。何もかもが、生きている時間、感じていること、そのすべてが映画になって、作品になっていく」と映画にかける情熱を共通点として挙げた。
劇中では、冷徹だったり、感情的だったりと感情表現が重要となる演技をする福山。その演技については「人間はだれしも二面性、もしくは多面的な部分があり、その部分をどう表現するのか」をポイントとして「実際の芝居をやってみて、現場で撮ってみて、監督のディレクションをいただいて、そこで肉付けしていくような作業だった」と明かした。また、前回釜山に来た時には、是枝監督の紹介でイ・チャンドン監督と会ったという福山。是枝監督の紹介と、一緒に蟹を食べたということから「勝手に親近感が沸いている」といい、今後一緒にやりたい韓国の監督の一人として名前を挙げた。また、韓国にもファンが多いという是枝監督だが、韓国の観客に向けては「いい意味で裏切れていればいいなと思っている」と語った。
会見後、場所を移して行われた公式上映前の舞台挨拶では「アニョハセヨ、ありがとうございます、カムサハムニダ、福山雅治です」と韓国語を交えながらあいさつした福山。満席となった840席の会場からは、2人に熱い拍手が送られた。上映後のQ&Aでは「キャラクターがとても立体的に感じた。どのようにキャラクターを作り出しているのか」という質問に「そう言っていただけるのは嬉しい」と返した是枝監督。さらに「人があって事件が動く、そのことを忘れない、ということが大事なこと」と語り「回想シーンをほとんど使わずに現在進行形だけで映画が出来上がるのを一番シンプルで美しいと思っている」などとその映画作りのコツを明かした。監督と福山には次々と質問が浴びせられ、関心の高さを窺わせるイベントとなった。
『そして父になる』(2013)の是枝裕和監督と福山雅治の2度目のタッグとなる心揺さぶる法廷心理ドラマである本作。勝利にこだわる弁護士・重盛が、やむをえず弁護をすることになった殺人の前科がある三隅。「負け」が決まったような裁判だったが確信が揺らいでいく重盛。本当に彼が殺したのか?弁護士・重森を福山雅治、殺人犯・三隅を役所広司が演じ、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功らが脇を固める。
映画『三度目の殺人』は全国で公開中!
監督:是枝裕和
出演:福山雅治、役所広司、広瀬すず、斉藤由貴、吉田鋼太郎、満島真之介、松岡依都美、市川実日子、橋爪功
配給:東宝、ギャガ
©2017フジテレビジョン アミューズ ギャガ