10月25日より開幕した第30回東京国際映画祭のオープニング特別上映作品『空海―KU-KIA－』の舞台挨拶が10月25日（水）にTOHOシネマズ六本木ヒルズにて行われ、染谷翔太、ホアン・シュアン、シン・ポーチン、松坂慶子、阿部寛が登壇した。

監督：チェン・カイコー×原作：夢枕獏×日中豪華俳優競演、空前絶後の日中共同スペクタクル大作である本作。唐の時代、日本から遣唐使として中国へ渡った僧侶・空海が、詩人・白楽天とともに歴史を揺るがす巨大な謎に迫る―。

来年2月に全国公開に先駆けて、今回編集途中という本作の約10分の特別フッテージ映像の上映が行われた。上映に先駆けて行われた舞台挨拶に登壇した染谷は「『空海』という作品をもってここに立てていることを光栄に思います」と挨拶。阿部は、全編中国での撮影の本作について「友好的でいい雰囲気の中でやらせていただきました」と振り返った。また松坂は「あこがれのチェン・カイコー監督の作品に出させていただいて、身の引き締まる光栄な経験をさせていただいた」と笑顔を見せた。

また、ホアンは「撮影を通じて日本の素晴らしい俳優さんと共演させていただき、素晴らしい経験をさせていただきました。後世に残ると思いましす」と作品に自信を見せた。シンは「（自身が演じたのは）中国では知らない人がいないくらい有名な大詩人。光栄に思います」と役への思い入れを窺わせた。

チェン・カイコー監督の現場について、染谷は「とても大胆かつ繊細。ずっと“真の美とは何なのか”を映画を通して見つけ出したいとおっしゃっていた。素敵だと思い、一生懸命ついていきました。今までに経験したことがない世界を味あわせていただきました」と感謝の気持ちを込めてコメント。阿部は「身の引き締まる思いでした。妥協という言葉がない監督」と評し、松坂は「私が撮影に合流したときは暑かったんですけど『暑くて大変だったらすぐに言ってください』とおっしゃっていただいた」とその細かな配慮を称賛した。

続けて、ホアンは「映画のために生まれ、映画にすべてを捧げている監督だと強く感じました。映画に対する情熱が強く、僕に影響を与えた。染谷さんとは5か月間、一緒に撮影現場にいたのですが、彼のセリフは全部中国語。毎晩必死に勉強したと思い、尊敬の念を抱いています」と染谷のプロ意識の高さに敬意を表した。さらにシンは「ストーリーでは同じ時代ではないので、撮影現場ではご一緒させていただけなかった。もし機会があれば僕もみなさんと同じ時代を演じて共演したかったです。そういう機会があればと思います」と残念そうに語った。また、松坂は「（壮大なセットは）丁寧に見ていたら日が暮れても見終わらなくて、結局見終らなかった。文化遺産の中にいるのかと思うくらいの完成度」とセットの豪華さにも驚かされたことを明かした。

最後に染谷は「本当に美しくて壮大。映像だけではなく、ストーリーも壮大です。早く完成したものを観たい。完成した暁には、みなさんも劇場に足をお運びください」とメッセージを送った。

【写真／蔭山勝也】