立川志らく、ティエリー・フレモー監督

第30東京国際映画祭「特別招待作品」部門上映作品『リュミエール!』の舞台挨拶が10月26日(木)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、ティエリー・フレモー監督と立川志らくが登壇した。

日本公開前の最新作をプレミア上映する「特別招待作品」部門。今回行われた『リュミエール!』の舞台挨拶には、本作で監督を務めたティエリー・フレモーと、日本語吹き替えナレーションを務めた落語家の立川志らくが登壇。フレモー監督からはリュミエール兄弟の魅力について、志らくからは本作の感想などが語られた。

2007年からカンヌ国際映画祭の総代表を務め、さらにフランス・リヨンのリュミエール研究所のディレクターも務めるティエリー・フレモー監督。122年前にシネマトグラフを発明し、“映画の父”と呼ばれるリュミエール兄弟について「映画監督としても彼らが初めて」と強調し「映画の起源はどういうものかを知ってもらいたい」と自身の思いを語った。本作では、リュミエール兄弟による1作品50秒の1422本の作品の中から108本が厳選されているが、それらの作品については「フランスでもあまり知られていない」といい、そのことがこの映画を作るきっかけにもなったことを明かした。2年前にシネマトグラフ発明120周年を記念して始めたこの作業だが、1422本の「全部を修復する予定」と観客を驚かせた。

本作で日本語吹き替えナレーションを担当しら志らくは「名前は知っているけど(作品を)観たことはなかった。印象派の絵のように美しく、演出もされている。びっくりしました」と既に初期の段階で映画として成立していたことに驚きを隠せない様子。また、志らくは「リュミエールが“映画の父”と知っている日本人は少ない」と指摘すると「フランスでは、シネマトグラフという機械を発明したことは知られていますが、リュミエール兄弟の世界や作品はあまり知られていない。知らせる機会がなかったので、作品の大きな山に招待して、登って、頂上まで行ってほしいという仕事をしています」と熱意を語った。

また、リュミエール兄弟と並び、映画の発明に携わったことで知られるアメリカの発明家、トーマス・エジソンを引き合いに出し「(エジソンも)技術的には発明できた。しかし、(キネマトスコープと呼ばれる)箱型にしてお金を取った。これはアメリカ流ですね(笑)」と冗談を交えて解説。結果的にリュミエール兄弟が、大きなスクリーンに上映して、一度に多数の人が鑑賞することができるシネマトグラフを先に発明したことが語られ、場内は大きな笑いに包まれた。さらに、フレモー監督は自身のスマートフォンを取り出し「これでも映画は観れます。でも、映画館で観るという体験は特別です」と劇場体験を勧めた。

最後に、フレモー監督は「リュミエール兄弟の前に映写機を発明しようとしたエジソンら大勢の方々にも敬意を表したい。しかし、リュミエール兄弟の後に映画の発明家はいない。最後の発明家であり、最初の映画監督です。リュミエールという名前はフランス語で“光”という意味で、映画を発明する人のための名前です」と語り、場内からは大きな歓声が起こった。

ティエリー・フレモー監督

立川志らく

立川志らく、ティエリー・フレモー監督


「第30回東京国際映画祭」は2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!

映画『リュミエール!』は2017年10月28日(土)より東京都写真美術館ホールほか全国で順次公開!
監督・脚本・編集・プロデューサー・ナレーション:ティエリー・フレモー
配給:ギャガ
© 2017 – Sorties d’usine productions – Institut Lumière, Lyon