安藤紘平(プログラミング・アドバイザー)、安藤サクラ、安藤桃子監督

第30東京国際映画祭「Japan Now」部門上映作品『0.5ミリ』のQ&Aイベントが10月29日(日)にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、安藤サクラ、安藤桃子監督が登壇した。

現在の日本を代表する作品を、映画祭独自の視点で選考した「Japan Now」部門。『0.5ミリ』は、おしかけヘルパー」山岸サワ(安藤サクラ)が巻きおこす、前代未聞のハードボイルド人情ドラマ、怒涛の196分。

今回のイベントでは主演を務めた安藤サクラと、姉で本作の監督を務めている安藤桃子が登壇した。2015年に開催された第28回東京国際映画祭でも上映された本作だが、あいにくの悪天候のこの日、「(観客が)5人くらいかと思った・・・」と冗談を交えて挨拶した安藤サクラ。安藤桃子監督は「3人くらいかと・・・(笑)」とさらに笑いを誘った。本作は、安藤桃子監督自身による小説『0.5ミリ』を原作としているが、そもそものきっかけは自身の家族による祖母の介護体験体とコメント。さらに映画化するにあたって「やるなら妹の安藤サクラに主演をやってもらいたい」と必然的なキャスティングであったことを明かした。

また、安藤桃子監督は「安藤サクラを生まれたときから見ているということを生かすということが、この作品の一番の意味だと思う」と振り返り、「表情とかが、ほかの作品にはないサクラさんを撮れていると思う」と笑顔を見せた。そんな安藤サクラは、イベントなどで「『もっと怖くて、岩みたいにでかい女だと思っていました』って結構言われる(笑)」と語り、本作では「そうじゃない、岩ではない女性だよっていう部分を見せたかった」と振り返った。

観客からは「この表情を見て欲しいというシーン」について聞かれ、安藤桃子監督は「あります!」と即答した上で「『おはよう』って振り返る顔が映画の黄金期の顔」と大絶賛。さらに「忘れられた日本人の魂が光る瞬間の顔」と続ける安藤桃子監督に、安藤サクラは「観たときは、なんか恥ずかしいと思った(笑)」と照れ笑いを見せた。

さらに、27日(金)に行われた『愚行録』のQ&Aイベントで、満島ひかりが“印象的で刺激的な女性”として安藤サクラの名前を挙げたが、そのことについて安藤サクラは「激しい映画で、心も体も溶けていくような現場で、同世代の女の子は二人くらいしかいなかった。全部むき出しにしていかなければいけないとっころで、動物的な本能を持っている人に会えたなという印象が強い。あの作品で、あの私たちでっていうのが大きかった」と振り返った。

続けて、今後の目標について聞かれた安藤サクラは「前の(作品の)自分を見ると気持ちが悪くなって嫌だと思ったんですけど、そう思えることが良かったと思ってきている。前の自分から見たら、今私がここにいることも想像できないし、子供を産んでいることも想像できない。そういう風にずっと過ごしていきたい」と今後の活動に意欲を見せた。

【取材・写真・文/編集部】

安藤サクラ

安藤サクラ

安藤桃子監督

安藤サクラ、安藤桃子監督

安藤サクラ、安藤桃子監督

安藤サクラ、安藤桃子監督


「第30回東京国際映画祭」は2017年10月25日(水)~11月3日(金・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!