日経BP社発行の日経エンタテインメント!誌が選んだ新しいヒットを生んだクリエイターを表彰する「ヒットメーカー・オブ・ザ・イヤー2017」。本年は、7月に公開された『銀魂』が興行収入38.4億円を記録したほか、10月21日に公開された『斉木楠雄のΨ難』も好スタートを切った映画監督の福田雄一がグランプリを受賞した。また、福田は舞台「ヤングフランケンシュタイン」「DEATH TRAP/デストラップ」などの演出も行っている。授賞式には、『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』でヒロインを務めた橋本環奈と、日経エンタテインメント!の山本伸夫編集長も登壇し、トークイベントが行われた。
今回の受賞について「身に余る賞」と笑顔で登壇した福田。今回受賞のきっかけとなった二本の映画を含めて「笑いへのこだわり」について「よくサブカルって言われるけど、自分ではサブカルであるイメージはなくて、王道だといい続けているけど誰も認めてくれない(笑)」と明かしつつ「老若男女誰にでも分かるお笑いを作ろうという意思がある」と語った。
イベントでは、『銀魂』『斉木楠雄のΨ難』と二作連続でヒロインを務めた橋本環奈が福田に表彰状を渡したが、その橋本のキャスティングについて「個人的に好みだった」と明かすと「ここで言うことじゃないですよ(笑)」とすかさず橋本からツッコミが入る場面も。橋本に実際に会うまでは「偶像でしかなかった」と振り返る福田は、実際に会うと「本当にいたんだ!」と当時の気持ちを明かした。また、『銀魂』のオーディションの際には「(橋本が)ドアから入ってきた瞬間に『お願いします!』ってなった」と即決だったというが、小栗旬、菅田将暉と並んだ時のバランスが「漫画チックで、原作をよく表現できていると思った」ということが起用の理由だと語った。
橋本自身は、そのオファーを受けた際には「誰もが福田組でやりたいと思っている」ということもあり「嬉しかったし、楽しみでもありました」と振り返り、さらに「同じタイミングで『斉木楠雄のΨ難』の話も聞いたんです」ととんとん拍子で話が進んだことを明かした。劇中では白目で演じることや、鼻をほじるなどの演技を見せる橋本だが「客観的に見て笑いを作るのは難しいことで、自分の中でセーブしていてはおもしろくならない」と福田の監督としての演出を称賛した。さらにそのシーンでは「めちゃくちゃ厳しかったんですよ。監督、こんなに厳しいんだって(笑)」と笑いへのこだわりを感じさせるエピソードも語られた。これに対して福田は「『斉木楠雄のΨ難』の撮影では大御所感が出ていて、『どれが欲しいの?』みたいな感じで。天下無敵のコメディエンヌに成長された」と話し、会場の笑いを誘った。
さらに話は『斉木楠雄のΨ難』での撮影でのエピソードに及び、山﨑賢人と橋本環奈が偶然出会うというシーンでは、『銀魂』の撮影が終わってすぐのクランクインであったことが明かされ、さらに「あの時は本当にテンションがおかしかった」と振り返った橋本。福田もその様子を見て「職人でした」と、自身の笑いへのこだわりが橋本にも伝わっている様子が語られた。また、福田は今後の橋本の起用については「専属になっちゃうとね、朝ドラとかも出たいだろうし。あんな顔してたら朝ドラのオファーとか来ないと思う(笑)」と話し、場内は笑いに包まれた。最後に橋本は福田組では「みんなが笑いに貪欲に作っている」と語り「今後もコメディエンヌとして、福田監督の作品で頑張っていけたら」とさらなる活躍に意欲を見せ、福田も「これからもずっと笑えるものを目指す」と決意を語った。
【取材・写真・文/編集部】