自らもトランスジェンダーで歌手のダニエラ・ヴェガが驚くべき才能を開花し、各国の映画祭で話題の本作。チリ・サンティアゴでウェイトレスをしながらナイトクラブで歌っているトランスジェンダーのマリーナは、年の離れた恋人と暮らしていた。しかしマリーナの誕生日の夜に恋人が亡くなったことで、思いもかけないトラブルに巻き込まれることに―。逆境に負けずまっすぐに生きる美しきヒロイン・マリーナを演じるのは、自身もトランスジェンダーの歌手であるダニエラ・ヴェガ。監督はセバスティアン・レリオ。本作は、アカデミー賞外国語映画賞チリ代表に選出されたほか、ベルリン国際映画祭で脚本賞を受賞した。
今回解禁されたポスタービジュアルは、主人公マリーナを演じたダニエラ・ヴェガの力強さと女性らしさを含んだ眼差しが印象的なビジュアルだ。愛する人にきちんとさよならを伝えるため健気な闘いに挑むマリーナを、自身もトランスジェンダーであるダニエラ・ヴェガが抑えた演技でありながら喜びと悲しみ、怒りをエモーショナルに伝える素晴らしい表現力で熱演し、各国の映画祭で脚光を浴びている。歌手として活躍していたところ主演に抜擢されたダニエラは、トランスジェンダーの女性を演じ、さらに劇中ではその美声も披露している。彼女だからこそ出せる説得力と自信に満ち溢れている。スクリーンデビューとなった本作がベルリン国際映画祭で上映されるや絶賛を浴び、トランス女優として初の受賞もささやかれるオスカーの行方にも注目が集まる。
本作のメガホンをとったのは、チリの新星セバスティアン・レリオ監督。2009年には『Navidad(原題)』がカンヌ映画祭監督週間でプレミア上映され、続く『デストロイ8.8』を2011年ロカルノ国際映画祭に出品。4作目の『グロリアの青春』(2013)はベルリン国際映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞し、ジュリアン・ムーア主演でハリウッドリメイクが決定するなど、熱い視線が注がれている気鋭のクリエーターだ。
レリオ監督は、難しい境遇の女性を描く本作の意図を「幼い頃からずっと隅に追いやられていたこの人物を、ジャンヌ・モローやブリジット・バルドーのような大女優と同じように、この映画の中心にしたかったのです」と語る。さらに、キャスティングについて「最初はトランスであるダニエラにこの映画について相談していました。でも話をするうちにダニエラの人生経験が脚本に色濃く反映されるようになったんです。『目の前に女優がいるのに、どうしてわざわざほかの女優を探しに行こうとするんだ?』と思ったんですよ。マリーナはダニエラを通して立体的なキャラクターになっていきました」と絶大なる信頼を寄せている。
映画『ナチュラルウーマン』は2018年2月よりシネスイッチ銀座、新宿シネマカリテ、YEBISU GARDEN CINEMAほか全国で公開!
監督・脚本:セバスティアン・レリオ
出演:ダニエラ・ヴェガ、フランシスコ・レジェス、ルイス・ニェッコ
配給:アルバトロス・フィルム
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