今回のイベントに登壇したピエール瀧は本国ではマシュー・マコノヒーが声を演じたノリは軽いが弓の名手でたくましさも兼ね備えているクワガタ役、川栄李奈は本国では実力派女優ルーニー・マーラが演じたクボを執拗に襲いにくる敵で、ろしい風貌と迫力でクボたちを追ってくる本作で一番のヒール・闇の姉妹役を演じている。
今回の吹替えオファーに対して“二つ返事でOKした”というピエールは、本作について「“あの人に見せたいな”と思う作品」と大切な人にこそ勧めたい作品であると語った。また、主人公クボを支える役どころとなる自身が演じるクワガタについては「なるべくオリジナルの雰囲気を残しつつ日本語に出来たら」と意識したことを明かし、「言い回しは台本から変えさせていただいたのはあります」と語った。日本へのリスペクトが感じられると本作を絶賛するピエールは「深く研究されているなと」と感心している様子を見せた。
また、この日、自身が演じる“闇の姉妹”をイメージした黒の衣装に身を包んで登場した川栄は「(ホラー映画が)大好き」とコメントし、今回悪役の声優にチャレンジしたことについては「(オリジナル版の声を)ルーニー・マーラさんがやっていて、すごく素敵でゾッとしたので、近いものを目指して頑張ろうと思いました」と振り返り、不気味な笑い声が特徴な役どころについては「生きてて笑うことが多いので、笑いは得意だったかもしれないです(笑)」と明かした。また、「“うっ”とか“あっ”という音が難しくて、10パターンくらい用意した」と語った。本作が日本を舞台にしていることに絡めて、日本に生まれてよかった思うことを聞かれた川栄は「お風呂につかる文化。お風呂が大好きなのでよかった」と笑顔を見せた。
ピエールと川栄はNHK連続テレビ小説「とと姉ちゃん」以来の共演となるが、ピエールは「以前は親子役だったので絆は深いほうだと思うんですけど、絆って怖いね」とコメント。川栄の演技については「バッチリハマっていて怖い。このキャラが出てきて(劇場で見ていた)子供が泣いたらしいですよ」と明かした。また、現在映画初主演の作品が待機している川栄だが、今後については「ホラーがすごい好きなので、お化け役とかやりたい」と抱負を語った。
最後にピエールは「ここまで熱量と人をかけて作ったものをスルーしていいのかというくらいのもの。ぜひみんなの目に触れてほしいと思います」と本作を熱烈にアピール、川栄は「作り手の愛情が詰まった映画です。私たちも愛情をこめて声を吹き込みました。観終わった後に温かい気持ちになると思う」とメッセージを送った。
数々の傑作を送り出してきたストップモーション技術最高峰スタジオ・ライカが、今回挑んだのは“古き日本”。情感あふれる日本の風景や風習を、息を飲む美しさで描いた本作は、本年度アカデミー賞や全世界の映画賞を総なめし話題を呼んだ。監督には、黒澤明や宮崎駿を敬愛するトラヴィス・ナイト。シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、レイフ・ファインズ、ルーニー・マーラら超豪華俳優陣がボイスキャストを務める。ライカの最先端クリエーターたちが、壮大なセットの中で人形や美術を1コマ1コマ動かし、1秒間の映像のために24枚の写真を撮影しながら作り上げた努力と愛情の結晶に、名だたるキャストたちが命を吹き込む。大人にこそ観てほしい、圧巻のストップモーション絵巻がついに上陸する。
【取材・写真・文/編集部】
映画『KUBO/クボ 二本の弦の秘密』は全国で公開中!
監督:トラヴィス・ナイト
声の出演:アート・パーキンソン、シャーリーズ・セロン、マシュー・マコノヒー、ルーニー・マーラ、レイフ・ファインズ
配給:ギャガ
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