胸組光明、スタン・リー

東京コミックコンベンション2017の名誉親善大使を務めるスタン・リーが来日し、11月30日(木)に都内で行われた記者会見に登壇した。

マーベルの名誉会長を務め、「スパイダーマン」や「X-メン」などのコミックの原作者としてアメリカンコミック業界に変革をもたらしたスタン・リー。12月1日(金)より開催される東京コミックコンベンション2017の名誉親善大使として、自身のコミックにかける思いや、東京コミコン開催への思いを語った。会見には東京コミコン実行委員長の胸組光明も登壇した。

昨年の第一回となる東京コミコンに引き続きの来日となったスタン・リーは「毎回いい経験をしています。今回も興奮しています」と来日を楽しみにしていた様子を見せた。今回が二回目となる東京コミコンだが、昨年の入場者数が32000人で、今年は5万人を目指していることが胸組から語られ、アメリカで行われてるコミコンとの違いを「日本はフードコートを用意している」と日本の食文化をアピールする場でもあると語った。そんなコミコンについて、スタン・リーは「何年も前に描いたものに、今でも共感する人がいることを嬉しく思っています」と喜びを語った。

また、アメリカでのコミックの現状について「今まで以上に拡大しています」とコメント。その理由について、マーベルの映画作品のヒットにより、映画を観た観客がスーパーヒーローを好きになり、コミックを読むという流れができていることを明かした。

スタン・リーはこれまでに数多くのキャラクターを生み出したことでも有名だが、特に日本でも人気の高いスパイダーマンの誕生について「ハエを見つけて、壁にくっついてハエのように動けたらいいなと思った」とそのきっかけを明かし、その後スパイダーマンとして構想を練り、編集者のもとへもっていったものの「『それは最悪のアイデアだよ』と言われた」と笑いながら明かした。また、キャラクターづくりに際しては「悪役が同時にそろっていることが大事」と語り、「その悪役はヒーローよりも有利に見えるほうがよくなる」と自身の考えを語った。

記者からは、予告映像が公開されたばかりの『アベンジャーズ インフィニティ・ウォー』についての意見を求められ、スタン・リーは「今までで一番の危険や脅威がある」と言葉少なげに期待を煽らせた。また、「物語を伝えるためにはどうすればよいか?」という質問に「他の人がどう考え、どういうストーリーが好きかは分からない。でも、自分自身がどういうものがおもしろいかは分かる。自分にとっていいものを書くことが大事。ものを書くときは、自分自身が読みたいと思うということを心がけています」とアドバイスした。

さらに94歳を迎えた今でも活躍していることについて、スタン・リーは「忙しくすることがいい薬になっている。毎日仕事をすることで、疲れているということを考える暇もない」とその元気の源を明かした。また、最後にはノートに、スタン・リーが編集後記の締めに用いる言葉「Excelsior!」と書き、会場を沸かせた。

【取材・写真・文/編集部】

スタン・リー

スタン・リー

スタン・リー

スタン・リー

胸組光明、スタン・リー

「東京コミックコンベンション2017」は2017年12月1日(金)~3日(日)に幕張メッセにて開催!