イベントでは松岡茉優らキャストと大九監督が映画について語ったほか、出演する渡辺大知がボーカルを務めるバンド「黒猫チェルシー」のギターを担当する澤竜次も登壇し、主題歌「ベイビーユー」が披露され、会場を盛り上げた。
今回、映画初主演となった松岡だが、そのオファーを受けた時は「大九監督とは3回目のタッグで、大九監督と映画を撮れることが嬉しくて、初主演の責任や不安は“パンっ”と消えました」と笑顔で振り返り、それを聞いた大九監督は「嬉しい」と思わずニコリと返すなど和やかなムードで始まった今回のイベント。共演の石橋も「茉優ちゃんにしかできないし、ほかの人が演じていることが想像できない」と絶賛の声寄せられた。本作で共演が4度目となる北村に対して松岡は「中学生の時から彼の演技を見ているんですけど、本当にすくすくとまっすぐに成長した・・・」と親目線での発言に「親心が過ぎる!」と北村に突っ込まれる場面もありつつ、「まさか私の好きな人の役をやるとは思わなかったから、まっすぐに成長した若手俳優として心強い」と称賛した。
女性キャストからは松岡演じるヨシカに共感するとの声も多く飛び、石橋は「突然歌うシーンがあり、(石橋自身も)電車に乗っている時に急に歌いたくなることがあって、そういう気持ちが分かって共感する」と具体的な答えを挙げ、松岡は「石橋さんみたいにキラキラしている人こそ心の中にヨシカがすくすくと育っていると思う。全員がヨシカ的な思いを持っていると思う」と共感のポイントを挙げた。
また、年末が近いということで、松岡が今年一年を表現する漢字一文字を「観」と答え、その理由について「(これまでの舞台挨拶で)先輩方が“お客さんに届いて初めて映画になる”と聞いて、なるほどとは思っても実感はなかった。(東京国際映画祭の上映で)客席で見た時に、想像もしていなかったところで笑って泣いていただいて、空気で感じ取れた。皆さんに受取ってもらえて初めて映画になるんだと身をもって感じました」と感慨深げに語った。
さらにここで黒猫チェルシーの澤竜次が参加し、渡辺とともに主題歌「ベイビーユー」を披露。完成した映画を観てから「僕なりに、こういう曲がラストにかかってくれたらうれしいなと言う曲」と思いを込めて歌唱。松岡は「抱きしめられた気持がしました。映画を観終わった後に、今の気持ちを思い出してほしい」とコメント。
最後に松岡は「こんなにたくさんの人がこの映画を観ようと足をお運びいただいたことが奇跡だと思う。撮っている時は(少人数で)孤独だったのに、共有することでどんどん広まって、映画って本当にすごいものなんだなと感じています」とメッセージを送った。
映画初主演となる若手演技派女優・松岡茉優が恋愛ド素人OLを熱演する本作は、暴走する恋をリアルに、イタく、キュートに描く、痛快コメディ。原作は「蹴りたい背中」で第130回芥川賞を受賞した作家・綿矢りさによる同名小説。微妙な年頃の女性の行き場のない感情をリアルに描いている。メガホンを取るのは、現代の女性のリアルを優しい視線で描いてきた大九明子監督。24歳まで恋愛経験ゼロの遅咲きな主人公・ヨシカが繰り広げる、悩んでは傷つき、暴走する恋の行方を、誰しもが最後まで応援したくなる痛快コメディに仕上げた。
【取材・写真・文/編集部】
映画『勝手にふるえてろ』は2017年12月23日(土)より新宿シネマカリテ、ヒューマントラストシネマ渋谷、シネ・リーブル池袋ほか全国で公開!
監督・脚本:大九明子
原作:綿矢りさ「勝手にふるえてろ」(文春文庫)
出演:松岡茉優、渡辺大知(黒猫チェルシー)、石橋杏奈、北村匠海(DISH//)、趣里、前野朋哉、池田鉄洋、稲川実代子、栁俊太郎、山野海、梶原ひかり、金井美樹、小林龍二(DISH//)、増田朋弥、後藤ユウミ、原扶貴子、仲田育史、松島庄汰、古舘寛治、片桐はいり
※正式には外字の舘(舎官)となります。WEB上では表現できない文字のため「舘」を使用しています。
配給:ファンム・フィルム
©2017映画「勝手にふるえてろ」製作委員会