本作は、実体験をベースに描いた押見修造の同名漫画が原作で押見作品の中でも人気が高い作品。思春期を迎えた少年少女たちが抱える葛藤や苦悩を描きながら、誰しもが持っているコンプレックスとの向き合い方、自分のあるべき姿について描く。主演の南沙良は、上手く言葉が話せないことに引け目を感じ、周囲と馴染めずにいる高校一年生・大島志乃を演じる。今年8月公開の映画『幼な子われらに生まれ』で女優デビューを果たした、ティーン向けファッション誌「nicola(ニコラ)」専属モデルの南沙良は、次第に変化していく内面を繊細に表現し、言葉が上手く話せないという難役に挑む。同時に、劇中では歌声も“初”披露。蒔田彩珠演じる、音楽好きだが音痴な同級生・岡崎加代との掛け合いは、世代を超えて胸に響く新たな青春ストーリーだ。
脚本は『百円の恋』で第39回日本アカデミー賞最優秀脚本賞ほか、数々の賞に輝いた足立紳、監督は乃木坂46のMVなどを手掛け、本作が長編商業映画デビューとなる湯浅弘章が務める。
南沙良(大島志乃役)コメント
小学生の頃から押見先生の作品が大好きだったので、お話を頂いた日は嬉しさのあまり興奮してなかなか寝付けない反面、作品の世界観を崩してしまわないかと少し不安な気持ちになりました。ですが、こんなに早く主演をやらせていただけるとは思っていなかったので、とても嬉しかったです。他の人と違う部分やコンプレックス、劣等感、自分の嫌いなところなど、誰もが持っているような〈悩み〉や〈苦しみ〉。志乃と加代、菊地それぞれが、その悩みを乗り越えようとする様子を見た時に感じられるものが必ずあると思うので、是非たくさんの方に観ていただきたいです。
湯浅弘章監督 コメント
10代のあの頃にだけ存在した感情。あの頃にだけ通用した感覚。危うくて紙一重な当時の彼らの気持ち。その一瞬一瞬を映し出した映画です。南さん、蒔田さん、萩原くんの3人が体当たりで演じてくれたおかげで、今まで観たことのない荒削りで繊細で力強い作品になりました。いま10代の人たちにも、そしてかつて10代だった人たちにもぜひ観ていただきたいです。
押見修造(原作)コメント
漫画以上に、まるで現実に起こったことをそのまま切り取ったような感触でした。志乃、加代、そして菊地の3人が、生々しく存在していると思いました。泥臭い青春映画でありながら、恥ずかしくなるほどキラキラしていて。そして、むせかえるような思春期のオーラに満ち溢れている。漫画を超えて、広く心に届く作品を作っていただいたことに感謝します。
そんな時、ひょんなことから校舎裏で同級生の加代と出会い、一緒に過ごすようになる。人と距離を置き卑屈になりがちな志乃だったが、加代からバンドを組まないかと誘われたことで少しずつ変わっていく。ふたりで過ごす夏休みが平穏に過ぎていくと思っていた志乃だったが、自分をからかった同級生の男子・菊地が強引に参加することになり・・・。
映画『志乃ちゃんは自分の名前が言えない』は2018年7月より新宿武蔵野館ほか全国で順次公開!
監督:湯浅弘章
原作:押見修造「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」(太田出版)
出演:南沙良、蒔田彩珠/萩原利久/小柳まいか、池田朱那、柿本朱里、中田美優/蒼波純/渡辺哲/山田キヌヲ、奥貫薫
配給:ビターズ・エンド
©押見修造/太田出版
©2017「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」製作委員会