『8年越しの花嫁 奇跡の実話』の大ヒット舞台挨拶が12月25日（月）に新宿ピカデリーで行われ、佐藤健と土屋太鳳が登壇した。

12月16日（土）の公開以来、大ヒットを記録している本作。今回の舞台挨拶では、主演を務めた佐藤健、土屋太鳳が登壇し、撮影時のエピソードが披露されたほか、観客によるサプライズでのプロポーズなどが行われた。

クリスマスのこの日、登壇した佐藤は「この特別な日にお会いできて光栄です」と挨拶し、会場に集まったファンを沸かせた。これまでのイベントなどでも撮影の苦労を語ってきた二人。特に土屋は難しい演技を求められていたことが明かされているが、撮影時の印象的なシーンとして「土屋さんが特殊メイクをして動けないシーンの空気感は、今までに出演した作品にはなかった」と改めて土屋の演技を称賛。そんな中でも「土屋さんをなんとか笑わせようとしました。笑うと特殊メイクがとれちゃうから」と明かす佐藤に土屋は「耐えようとしていたんですけど、笑わせてくるので」と返す土屋。普段から“健先輩”と尊敬の念を見せる土屋は「愛情を感じました。ちょっと困りましたけど（笑）」と会場の笑いを誘った。

その難しい役どころに、佐藤と土屋は現場に向かう新幹線の中でもメールでやり取りをしていたといい、特に二人の出会いのシーンは「新幹線でギリギリまでメールでやり取りして作ったシーン」と振り返った土屋。佐藤も「土屋さんが思うセリフを送ってくれて、“いいと思う”、“ここはいらないかもね”というのを話していました」とお互いを尊敬しあう二人ならではのエピソードが明かされた。また、酔っているという設定のため、日本酒を鼻で嗅いでから撮影に挑んだという土屋に、佐藤は「僕は飲んだ（笑）」と明かし、「そこらへんにも健先輩のすごさを感じました」という土屋に会場からは笑いが起きた。

今回初めて夫婦役を演じた佐藤と土屋。本作の公開前には結婚式場でのイベントも行われたが、改めて「理想の結婚式は、大切な人の願いをかなえてあげること」と自身は結婚式をやりたいという思いはないことを語る佐藤。そんな佐藤を「健先輩の思いも素敵」という土屋だが、自身は「結婚するほど好きな方を育てていただいた両親にも喜んでほしい」と結婚式を行うまでの二人が語り合う時間を大切にしたいと語った。

ここで、今後結婚を控えるカップルとして、客席からカップルが登壇。女性にはサプライズでの呼び込みとなり、驚きを隠せない女性。ステージに上がった男性からは、2日前に交際8年目を迎えたことへの感謝の気持ちや、今後幸せにしたいという言葉が語られ、男性から贈られたリングを受け取った女性は「全然気づかなかった」と笑顔を見せた。そのプロポーズの言葉を聞いた佐藤は「言うねー！感動しました」と二人を送り出した。

さらにサプライズとして、土屋は締めの言葉の後に佐藤への手紙を披露。先日行われたイベントで、佐藤から土屋へ贈られた手紙への返事として書かれたものだが「伝えたいことがありすぎて3日間考えた」という熱が入ったもの。手紙では、2012年に放送されたドキュメンタリー番組で、佐藤が「変わらない愛はない」と話していたことが土屋は引っかかっていたことが明かされ、「テレビに向かって、“そんなことはないですよ”と話しかけてしまった」というほど。さらに「あの時からこの作品でご一緒する未来があったのかもしれない」という土屋は「変わらない愛はあります。それは健先輩の心の中に、ファンの方へ感謝を市、現場の方に尊敬をもって接し、スタッフをねぎらう姿は変わらぬ愛を宿しています」と佐藤を近くで見ていた土屋ならではのメッセージが込められた。

手紙では「何でもできて、何でも分かるのに、自分のことだけ分かっていない。私が責任を持ってお伝えします。健先輩の笑顔は素敵です。とてもチャーミングで、猫が笑ったときみたい」と会場の笑いを誘いつつも、時折声を詰まらせながら話す土屋。「その背中にたどりつけるように全力で追いかけていきます」とメッセージを送る土屋に、佐藤は「“恥ずかしい”の十乗くらい」と照れ笑いを浮かべ「変わらない愛がないとか思っちゃうような僕ですけど、だからこそ“変わらない愛はない”って本心から伝える土屋さんに憧れがありますし、尊敬しています」と改めて二人の思いが語られた。

結婚式の直前に病に倒れ意識不明となった花嫁を8年間待ち続けた新郎―。YouTubeに投稿された動画をきっかけに話題が広がり、TVや新聞、ネットなどで取り上げられ、海外にも拡散、書籍化もされた、あるカップルに起きた奇跡の実話を映画化した本作。目を覚まさない恋人を献身的に支え続け、苦悩しながらもひたむきに彼女を思い続ける尚志役を佐藤健、病と闘う麻衣役を土屋太鳳が演じる。メガホンを取るのは、『64-ロクヨン-前編/後編』など深い人間ドラマを描くことに定評のある瀬々敬久監督。

【取材・写真・文／編集部】