『嘘八百』の公開記念舞台挨拶が1月6日（土）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、中井貴一、佐々木蔵之介、友近、森川葵、武正晴監督が登壇した。

映画にちなみ“赤”を衣裳の一部に身を付けて登壇したキャストと武監督。打ち合わせなしに赤のハイネックを着て登壇した中井と佐々木だが、「バディ感が出てよかった」という佐々木のコメントに会場からは笑いがあふれるイベントのスタートとなった。本作では親子役として出演している中井と森川。だんだんと自らの子供の役が年齢を重ねてきたことで「年を取ったと痛感させられた」という中井だが、森川については「魅力があります。今年は森川の年になると思います」と絶賛。そんな中井の娘役を演じた森川は「包容力があり、自由にやらせていただき、そのどれをも受け止めていただいた。安心してお芝居をさせていただきました」と称賛した。

本作には坂田利夫をはじめとしたベテランキャストが名を連ねているが、「（先輩方が）現場のムードを作ってくれた」とわずか16日間での撮影にも関わらず現場の雰囲気がよかったと明かす中井。佐々木も「先輩方が精神的な支え」と振り返った。しかし、撮影自体は「アドリブというと聞こえがいいんですけど・・・」と中井が言うように、セリフの間違いなどが多かったようで「監督はそれに懲りずに『大丈夫です、言えます』と、日が沈みそうなのに諦めなかった」と明かした。

また「今年初めて挑戦してみたいことは？」という質問に「パン作りかな」と笑いを誘いつつ「まだやってないことをたくさんやっていきたい」と語る友近。続く森川は「ラップ？」と突然の宣言に登壇者からも笑いが起きつつも「真っ赤なウソです」と即否定。さらに「今年の嘘の抱負を」という無茶ぶりとも思える質問には「今年成人式を迎えたい」と笑いを誘う佐々木、友近は「絶対東大に合格したい」、森川は「イケメン俳優として芸能界を担っていきたい」とそれぞれが“嘘の抱負”で会場の笑いを誘った。

最後に、中井は「現場でいかに心にゆとりがあるか、笑顔があるかが大事だということを教えていただきました。お正月映画はめでたい印象がありますので、ここで舞台挨拶に立てて心から幸せです」、佐々木は「お正月に観る映画はいつまでも心に残る映画。皆さんの心に残る、愛される映画になればと思います」とメッセージを送った。

『百円の恋』で日本映画界に新風を吹かせた監督・武正晴×脚本・足立紳のタッグに今井雅子が加わり、オリジナル脚本で描く本作。主演を務めるのは、中井貴一と佐々木蔵之介の2人。『花戦さ』にも出演した2人が初の本格共演となる。大人に向けた極上のコメディである本作の舞台は大阪・堺。骨董の世界に身を置きながらも、冴えない仕事をしている関東から来た古物商の則夫（中井）と関西で暮らす陶芸家の佐輔（佐々木）。2人の前に現れたのは“幻の利休の茶器”だった？！一攫千金を狙って、家族や大御所鑑定士、文化庁をも巻き込んだ壮大な狐と狸の化かし合いが始まる―。

【取材・写真・文／編集部】