ソフィア・コッポラ監督の長編6作目となる本作は、ポップでかわいいガーリーカルチャー全開の世界観のイメージを大きく覆す新境地となるスリラー。トーマス・カリナンが1966年に書いた小説「The Beguiled」を女性視点で描く。南北戦争期、閉ざされた女子学園に一人の負傷兵が転がり込んで来ることで巻き起こる女たちの愛憎劇。秩序を守る女学院の園長役をニコール・キッドマン、小悪魔な生徒役をエル・ファニング、恋に恋する純粋な教師役をキルスティン・ダンスト、負傷兵役をコリン・ファレルが演じている。第70回カンヌ国際映画祭では女性としては56年ぶり2人目の快挙となる監督賞を受賞した。
今回解禁された予告編では、学園に住む7人の女性たちによって助けられたコリン・ファレル演じる兵士が介抱される様子から始まり、「君が必要だ」と甘く優しい言葉に惑わされるニコール・キッドマン、紳士的な兵士に心奪われ熱いキスを交わすキルスティン・ダンスト、したたかな誘惑の素振りをみせるエル・ファニングが映し出され、1人の男を巡り、彼女たちの眠っていた欲望が次第に目覚め狂ってゆく様が描かれる。
映像の後半からは甘美な空気とは一変、シャンデリアが落ちる音を皮切りに、羨望のまなざしは憎悪へ―。男と女たち、それぞれの思惑が絡み合う中、松葉杖を使い必死に走る兵士に待つ運命はどのようなものなのか、血の付いたドレスで立ち尽くすニコール・キッドマン、そして「俺に何をする!」と叫ぶコリン・ファレルの声を打ち消すように、静かに扉の鍵は閉められる。観る者の心をかき乱す、息もつかせぬ緊迫の映像となっている。
併せて解禁されたポスタービジュアルには、大胆にも白を基調とした洗練されたデザインに主要キャラクターであるニコール・キッドマン、キルスティン・ダンスト、エル・ファニングの3人が大きくあしらわれ、唯一の男コリン・ファレルを覆うベールのような薄いレースのカーテンには血の跡が描かれ、戦慄の物語を予感させる。「ひとりの男、狂いゆく女たち」という鮮やかな赤色のキャッチコピーとは対照的な白い装いで、それぞれ別の何かを見据える女性たちの視線は、美しくもつつましやかな冷酷さを感じさせる。
なお、本作のソフィア・コッポラ監督は既報の通り、1月16日より4年3か月ぶりの来日が決定している。
映画『The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ』は2018年2月23日(金)よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほか全国で公開!
監督:ソフィア・コッポラ
出演:ニコール・キッドマン、エル・ファニング、キルスティン・ダンスト、コリン・ファレル
配給:アスミック・エース STAR CHANNEL MOVIES
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