近代日本文学の大文豪・谷崎潤一郎の短編作品の中から、年齢もキャリアも異なる3人の映画監督が現代劇として甦らせた「谷崎潤一郎原案 / TANIZAKI TRIBUTE」。『悪魔』の原案となったのは、谷崎の初期作品である「悪魔」(明治45年発表)と「続悪魔」(大正2年発表)で、強迫観念に襲われ続ける人間が、死の恐怖からくる妄想に苦悩する心理状態を描き切った作品。吉村界人、大野いと、前田公輝らが共演。
今回解禁された予告編では、大学入学のため上京してきたバスの中で幻覚に怯え、鼻血を垂らす佐伯(吉村界人)から始まる。下宿先の娘の女子高校生・照子(大野いと)と出会うが、照子が自分の部屋に頻繁に訪れ、その肉感的な身体を見せつけ、小悪魔のように自分の心を惑わしていくことを迷惑に思う佐伯。ふたりのそんな危うく怪しい様子をよく思っていない、同居する照子の親戚の鈴木(前田公輝)や、通い始めた大学の同級生、あゆみ(遠藤新菜)も加わった四角関係。鈴木の言う通り、照子は佐伯にとっての“悪魔”なのか。妄執にとらわれた四人が繰り広げる、極上のサスペンスに仕上っている。
併せて解禁されたポスタービジュアルも、人間の二面性を表現している。「表の顔と裏の顔。天使の顔と悪魔の顔。人間の片側には悪魔の顔が隠れている」をコンセプトに、四角関係に陥る四人の「表の顔(天使の顔)」を並べている。
藤井道人監督 コメント
「悪魔」とは、人間を誘惑し、災いをもたらす存在を称してそう呼ばれています。そして、大なり小なり私たちの周りにはその「悪魔」が存在します。谷崎潤一郎の「悪魔」を初めて読んだとき、100年以上前に書かれた作品にも関わらず、今の現代社会における人間の心の暗部に置き換えることが出来る普遍性に感嘆しました。主人公の青年は、若くて美しい女子高生の照子という「悪魔」に出会い、次第に自我が崩壊していきます。そもそも「悪魔」とは、自分に外的危害を加える存在なのか。もしくは、自分自身の精神に巣食う存在なのか?というテーマに向き合って作りました。
谷崎潤一郎原案 / TANIZAKI TRIBUTE『神と人との間』『富美子の足』『悪魔』
『神と人との間』は2018年1月27日(土)よりテアトル新宿ほか全国で順次公開
監督:内田英治
出演:渋川清彦、戸次重幸、内田慈
『富美子の足』は2018年2月10日(土)よりテアトル新宿ほか全国で順次公開
監督:ウエダアツシ
出演:片山萌美、淵上泰史/でんでん
『悪魔』は2018年2月24日(土)よりテアトル新宿ほか全国で順次公開
監督:藤井道人
出演:吉村界人、大野いと、前田公輝
配給:TBSサービス
©2018 Tanizaki Tribute製作委員会