アメリカの近現代史を語る上で忘れることができない凄惨な暴動事件が起きたデトロイトを舞台に、連日暴動が続く中で起きた恐怖に満ちた“ある一夜”の事件を描く、衝撃の実話を映画化した本作。主演は、『スター・ウォーズ/最後のジェダイ』『ザ・サークル』の公開が控えるジョン・ボイエガ、『なんちゃって家族』『メイズ・ランナー』『レヴェナント: 蘇えりし者』などジャンルを問わない演技が魅力的なウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキーらが共演する。監督は、『ハート・ロッカー』で女性初のアカデミー賞監督賞に輝いたキャスリン・ビグロー。
キャスリン・ビグロー監督の大ファンだというイギリス人俳優ウィル・ポールターは、『デトロイト』で凶悪な差別主義者であるデトロイト市警の白人警官クラウス役を演じている。『リトル・ランボーズ』でデビュー以来、『なんちゃって家族』(13)でMTVムービーアワードのキスシーン賞、ブレイクスルー演技賞を受賞、同年の英国アカデミー賞のライジングスター賞を手にし、世界的に大ヒットした『メイズ・ランナー』(14)で、主人公の宿敵を演じ圧巻の存在感を披露した。また、『レヴェナント:蘇えりし者』(15)ではレオナルド・ディカプリオと共演している。作家性の強い監督からのオファーが続くウィルは、『デトロイト』日本公開直後の1月28日に25歳の誕生日を迎える。今回、、その演技に注目が集まる個性派俳優ウィル・ポールターのインタビュー映像が解禁された。
最初に脚本を読んだ時の印象を聞かれ、「あまりにも現在に通じる部分が多くてすごく驚いた」と正直な心情を吐露するウィル・ポールター。「作品の舞台は今から50年前だ。だけどテーマとなっているのは現代と同じ問題ばかりだ。有色人種への社会的な不条理、警察の横暴、制度的な人種差別、そういう多くの問題が、脚本に反映されていた。それが とても残念で、悲しいと思った」と心中を率直に打ち明けているが、同時に「社会に訴える作品になるだろうとも思った。そういう社会問題を描く作品に参加できて嬉しかった」とこの作品に参加する意義について、熱く語っている。
ウィルが演じる白人警官クラウスは、暴動発生時のデトロイトを巡回中に、窃盗を犯したと思われる黒人青年に背後から発砲し殺害するという、人格的にも理解しがたい差別主義者だ。事件に関わった複数の警官から生まれたクラウスという難役を演じるにあたり、徹底して「無知」になったとしている。人種差別や差別主義の原因は、差別をする人間の中にある“無知”だと気づき、役作りを始めた。「無知な彼らは感情を持った。有色人種に対する嘘や偽りをベースにね」と理解しがたい役を自ら分析し、「そういう人物を演じるため無知をうまく表現したかった」と、全く共感し得ない役にも自身の考察を重ね果敢に挑んだ。
撮影中に苦労したことについては、「尊敬する人たちを相手に暴力を振るうシーン。みんな友達だから辛かった」尋問を受け、暴力を振るわれる共演者の迫真の演技は、それが素晴らしいほど彼を苦しめたという。一時は泣きながら演技を続けたこともあった。一方で、「共演者の演技が素晴らしければ、自分も熱くなる。追いつかなければと思わされるからね」と役者魂も垣間見せながら「(共演者が)苦しさを表現するのがあまりにもうまくて、その演技は僕の心の奥に響くほどで、ある意味同情を感じずにはいられなかった。差別主義者を演じる僕には許されない感情だ」と役柄と自身の感情との狭間で葛藤する様子は、凶悪警官とは対照的だ。
最後に、尊敬するキャスリン・ビグロー監督について、「どんな時でも冷静に、物事がスムーズに進むよう最善を尽くし、この作品を監督するのには最適な人物だった」とコメント。「こういう作品には大きな責任が伴うはずだ。作品で描かれたのは、それくらい重要な事件だ。何にも動じない人でなければ、監督は務まらなかっただろう」と最大の敬意を表している。
映画『デトロイト』は2018年1月26日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国で公開!
監督:キャスリン・ビグロー
出演:ジョン・ボイエガ、ウィル・ポールター、ジャック・レイナー、アンソニー・マッキー
配給:ロングライド
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