原作を読んだ感想を聞かれて「騙されました」と口をそろえる岩田と山本。そんな2人と並んで登壇した原作者の中村は本作を「原作者ということを忘れて見入ってしまった」と明かし「気持ちよく騙された」と語り、それに対して岩田は「映画で騙し返せてよかったです」と答え、会場は笑いに包まれた。
本作では難しい役どころを演じる2人だが、特に岩田は「暗く、深く、長いトンネルを走っている気分で、いつ出口が見つかるのかと模索している気分でした」というほどで「監督が夢に出てくる経験は初めてでした(笑)」と役に没頭していたことを窺わせた。また、監督からは「『明日は例のシーンだけど、当然寝ないよね』というやりとりもあった」と明かした。
山本も瀧本監督からは細かい指示が出されていたようで「指先の動きも言われたのが、途中でちょっと嫌になったような(笑)」と暴露。しかし最後には「一回だけ褒めていただいたことがあって、嬉しかったです」と明かした。また、この日登壇していない斎藤工も本作では重要な役どころを演じているが、瀧本監督は「この役は斉藤君以外に考えられないくらい適役」と大絶賛。その演技を間近で見ていた岩田は「迫力満点でした。斉藤さんの目の奥にある闇のようなものを見て、僕は何度もゾッとする経験をしました」と斉藤の演技に圧倒されていた様子。
また、タイトルにかけて“去年(2017年)の冬、別れを告げたものは?”という質問に「夏ごろに足をぶつけて血豆ができてしまい、それが冬になってようやく爪切りで切ることができました」と“血豆”との別れを明かし、会場は笑いに包まれた。
最後に岩田は「観た方すべてが裏切られ、騙される予測不能のサスペンスです。スクリーンの中で起こることを一瞬たりとも目を離さずにお楽しみください」と本作をアピールした。
芥川賞作家・中村文則による映像化不可能と言われた美しきサスペンスを岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)主演で描いた本作。結婚を間近に控えた新進気鋭のルポライター耶雲恭介が目を付けたのは、不可解な謎が残る盲目の美女が巻き込まれた焼死事件と容疑者の天才写真家。真相に近づくにつれ、彼は抜けることのできない深みにはまっていく―。耶雲恭介役を岩田剛典、婚約者・松田百合子役を山本美月が演じ、北村一輝、斎藤工、浅見れいならが共演する。
【取材・写真・文/編集部】
映画『去年の冬、きみと別れ』は2018年3月10日(土)より全国で公開!
監督:瀧本智行
原作:中村文則「去年の冬、きみと別れ」(幻冬舎文庫)
出演:岩田剛典(EXILE/三代目 J Soul Brothers)、山本美月、斎藤工・浅見れいな/北村一輝
配給:ワーナー・ブラザース映画
©2018映画「去年の冬、きみと別れ」製作委員会