前作『ハドソン川の奇跡』で緊迫のコックピットと不時着シーンを視点を変えて描き、観客を事件の裏側へと引き込んだクリント・イーストウッド監督の最新作は、ヨーロッパを横断する特急列車タリスが舞台。アムステルダムからパリへと向かうタリスの乗客554人をターゲットにした無差別テロに直面した3人の若者たち。なぜごく普通の男たちは死に直面しながら、命を捨てる覚悟でテロに立ち向かえたのか―。本作では、3人の若者たち本人を含め、列車に居合わせた数多くの人を起用、事件が起こった場所で撮影に挑んだ。いつ、どこで、誰もがテロに直面してもおかしくない今、当事者の目線から今の時代を生きる私たちに問いかける真実と現実を凝縮したイーストウッド監督の集大成となる作品。
今回解禁された場面写真は、事件当時学生だったアンソニー・サドラー、オレゴン州州兵のアレク・スカラトス、そして米空軍上等空兵のスペンサー・ストーンの3人がパリへ向かうため特急タリス号へ乗り込むまでに訪れたヨーロッパ各地の観光シーンだ。休暇が偶然に重なり、ヨーロッパを旅行することになった3人の若者。劇中では、ローマ、ヴェネチア、ベルリン、アムステルダムの定番の観光名所を訪れ、タリスに乗るまでの旅の軌跡が丁寧に描かれている。旅路で訪れる場所や人々との出会い。何かに強く導かれるように3人は、運命の列車、特急タリス号に乗り込むことになった―。
休暇旅行はイタリアのローマから始まった。スペンサーとアンソニーはホステルの前で待ち合わせ、幼い頃からお馴染みの“グータッチ”で久しぶりの再会を喜ぶ。2人はコロッセウムやトレヴィの泉などローマの名所旧跡をめぐり、初めて訪れたヨーロッパ観光を楽しむ。自撮り棒の記念撮影で無邪気な表情を見せる2人の姿は、日常にありふれたごく普通の若者そのものだ。
ローマを後にしたスペンサーとアンソニーが次に向かったのは、“水の都”ヴェネチア。水上バスで、2人はリサという一人の美しい女性に出会う。アンソニーの自撮り写真の効果もあって、3人はすっかり打ち解ける。広場でジェラード、水辺を臨む高級レストランでは赤ワインにピッツァを楽しむ。リサを真ん中にして歩くスペンサーとアンソニーの嬉しそうな表情がなんとも微笑ましい。
アレクと合流するために2人が向かったのはドイツのベルリン。レンタサイクルでヒトラーが死んだとされる場所を訪れた後、2人はバーで初老のミュージシャンと隣り合わせに座る。この偶然の出会いで、若い美女がたくさんいる「アムステルダムはサイコーだから、絶対に行くべきだ!」と強く勧められ、アレクと合流したスペンサーとアンソニーは、助言どおりオランダのアムステルダムへと向かう。クラブでハメを外した二日酔いの朝、3人はレストランで次の目的地を相談する。アンソニーはアムステルダムでの延泊を希望するが、「パリを見てみたい」というスペンサーの強い希望でパリ行きを決める。
そして、3人は2015年8月 21日15時17分、パリ行きの特急タリス号に乗ることになる―。
いつ、どこで、誰もがテロに直面してもおかしくない今、巨匠クリント・イーストウッド監督が初めて無差別殺傷テロを描いた本作。「ごく普通の人々に捧げた物語」だと語る最新作は、当事者の目線からテロの時代を生きる私たちに問いかける真実と現実を描く。
映画『15時17分、パリ行き』は2018年3月1日(木)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:クリント・イーストウッド
出演:アンソニー・サドラー、アレク・スカラトス、スペンサー・ストーン
配給:ワーナー・ブラザース映画
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