以前よりかなた監督と知り合いだったという主演を務める井浦。「10年近く前に、『俺、いつか映画を撮るから、その時は一緒にやろう』と言ってくれた」と振り返った井浦は、「映画がゼロから作られていう流れを、傍らで見せていただいたので、僕の中では特別な映画になりました」と感慨深げに語った。
そんな井浦演じる草太とアパートで同居する楽人を演じた成田は、始めの打ち合わせで「“台本を読まないで来て”と言われて、行ったら『台本読んだ?』って聞かれた」と初めから駆け引きのようなものがあったことを明かし、その場で成田は「『この作品は僕にしかできません!僕しか演じられる人はいません!』と言い切ったら、できました」と監督へのアピールが功を奏したことを明かした。また、かなた監督は、「叫んでました」と当時を振り返った。
井浦と成田は、クランクイン前から10日間共同生活をしたといい、その時のことを「普通の状態じゃなかったかもしれない」と振り返る井浦。2人の劇中での様子は、「そのまま切り取られている」と明かした。また、共同生活前にプロデューサーから10万円渡されたことを明かした井浦。「十分すぎるくらい」という2人だったが、その日にみんなでキャバレーに行き、「全部使い果たした」と明かし、会場は笑いに包まれた。
そんな成田とシーンを共にすることが多かった紗羅は、「ワークショップで、成田君と私と監督と3人で、部屋の中で2時間くらい手をつないで見つめあって、人生を語った」と明かし、成田は「この作品は、自分の中にある根本なものを出していかないと成り立たないので、会話の内容も墓場まで持っていくようなもの」と語った。しかし、成田が1人で参加する日もあったといい、その時には「『恥ずかしいことはあるか?』と監督に聞かれて、『ないです』と答えたら、『じゃあ脱げ』と言われて脱いだ。『踊れるか?』と言われて踊った」と振り返ったが、その時に踊ったのが「高校の文化祭でダンスをやってたんで、『ポニーテールとシュシュ』を一曲まるごと踊ったんです。苦痛だった・・・」と明かし、会場からは笑いが漏れた。しかし、成田は「今思うといい時間でした」と笑顔を見せた。
本作では、原作から手掛けているかなた監督。「暴力的だといわれるけど、全然怖くないです。僕は暴力が大嫌いですけど、大嫌いだから痛く、残忍に描いている。気持ちよくなって欲しくない」と自身の気持ちを明かした。最後にLiLiCoh「公開日に(みんなで)飲みに行こう!ギャラ全部飲み代ににします」と宣言し、仲の良さを窺わせた。
東京の片隅にある奇妙なアパート「ギザギザアパート」で自堕落な共同生活を送る草太と楽人は、大麻の密売で生活している。目標もなく生きてきた二人は、次第に予測不能な事態に巻き込まれていく。くたびれた大麻の売人役を井浦新、全身タトゥーの赤髪モヒカン色欲狂いの若者役を成田凌、DVを受けるシャブ中毒のシングルマザー役を映画初出演となる紗羅マリーと全員が新境地のバイオレンスラブファンタジー。さらに津田寛治、奥田瑛二、LiLiCoらが共演。監督は、本作が初監督作品となる、かなた狼。
【取材・写真・文/編集部】
映画『ニワトリ★スター』は2018年3月17日(土)よりヒューマントラストシネマ渋谷、3月24日(土)よりシネ・リーブル梅田、シネマート心斎橋ほか全国で順次公開!
監督:かなた狼
出演:井浦新、成田凌、紗羅マリー、阿部亮平、LiLiCo、津田寛治、奥田瑛二、山田スミ子、海原はるか・かなた、裵・ジョンミョン、ペロンヤス、名倉央、DAY(Titanium)、佐藤太一郎、水橋研二、尚玄、辰巳蒼生、村上新悟、石橋穂乃香、シャック、マグナム弾吉、中澤梓佐
配給:マジックアワー
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