本作で映画初主演を果たした山田。「バッドエンドやグロテスクなものが好き」という山田は、原作には中学生のころに出会ったといい、本作では「優しい春花と復讐する春花のコントラストを大事にして演じようと思った」と振り返った。そんな山田の演技の中でも「殴り殺すアクションがすごくよかった」と絶賛する内藤監督。これには山田も「人格を疑われる」と苦笑しつつも「ストレス発散(笑)」と演技に臨む姿勢を語った。
山田と多くのシーンをともにする清水は、「常に根底にあるのは愛情だということを忘れずに演じようと意識した」とその難役をこなすポイントを明かした。本作で映画初出演となった大谷は「演技自体が初めて」と緊張した面持ちで語り、「監督やキャストのみんなに支えられて、一緒に作った」とチームワークの良さを明かした。
撮影は雪の中でのシーンが多く、その寒さにも苦労したと口をそろえる登壇者たち。3月ごろの撮影だったというが、清水は「あまりに寒すぎて、東京に帰ってきたら半袖で余裕じゃんと思った」と笑いを誘った。
ここで原作者の押切蓮介より描き下ろしのイラストがサプライズで披露されると、キャストたちは一堂に「おー!」と声をあげ、喜びを隠せない様子。撮影現場にも訪れたという押切だが、興奮したキャストたちが「行列を作った」というほどで、寒さの中での撮影に耐えるべくモチベーションアップにもつながったことが明かされた。
さらにタテタカコが登場し、主題歌を生披露。この楽曲を撮影中も毎日聞いていたという山田は「何度も救われた」と明かし、「撮影を思い出しました」と感慨深げに語った。
最後に山田は「主演はもっともっと先のことだと思っていた。主演をやるとしたら、キラキラしたお話だと思っていたんですけど、真逆のお話をやらせていただいた」と笑いを誘いつつ「完成したものを観て、今の私らしさなのかなと思って、大切な作品になりました。観ていただくのが楽しみです」とメッセージを送った。
人気漫画家・押切蓮介の代表作にして伝説のコミックを実写映画化した本作。逃げ場のない小さな社会で起こりうる嫉妬、虐待、絶望など人間の負のエネルギーが溜め込まれるばかり。雪が舞う雪景色に佇む主人公が見つめる先とは・・・。東京から田舎に転校してきて、壮絶なイジメを受けている主人公・野咲春花役には、本作で初主演を果たした山田杏奈。今、最も勢いのある女優として注目を集めている若手女優の一人である山田の透明感溢れる清純なイメージとは裏腹に、心をえぐられるような熱演に注目が集まる。
【取材・写真・文/編集部】
映画『ミスミソウ』は2018年4月7日(土)より新宿バルト9ほか全国で順次公開!
監督:内藤瑛亮
原作:押切蓮介 「ミスミソウ 完全版」(双葉社刊)
出演:山田杏奈、清水尋也、大谷凜香/大塚れな、中田青渚、紺野彩夏、櫻愛里紗、遠藤健慎、大友一生、遠藤真人、森田亜紀/戸田昌宏、片岡礼子/寺田農
配給:ティ・ジョイ
©押切蓮介/双葉社 ©2017「ミスミソウ」製作委員会