前作『フレンチアルプスで起きたこと』で“壊れゆく家族の絆”を描き、全世界の喝采を浴びた北欧の鬼才リューベン・オストルンド監督が今回テーマに選んだのは“アート業界”。上流社会の人々が集う有名美術館を舞台に、現代社会が抱える様々な問題をウィットに富んだ笑いと鋭い毒で、鮮やかに浮かび上がらせていく。本作は第70回カンヌ国際映画祭で最高賞パルムドールに輝き、監督と脚本を務めたオストルンド監督について、第70回カンヌ国際映画祭の審査員長ペドロ・アルモドバル監督は「驚くべき想像力だ!とても可笑しくて恐ろしい。もう一度観たい!」と大絶賛している。
今回、本作の本ビジュアルが解禁された。2枚の写真から成るビジュアルの上部には、物語の舞台となる荘厳な美術館が写し出され、その中央広場では、クリスティアンの運命を揺るがすことになる“社会をより良くする”ことが狙いのアート「ザ・スクエア」が煌々と輝いている。「ザ・スクエア」は、スウェーデンでの本作公開後、映画を飛び出して国内の様々な場所に実際にアート作品として展示され、大きな注目を集めた。下部の写真では、「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」で主演を務め、ゴールデン・グローブ賞を受賞したエリザベス・モス演じるインタビュアーのアンがクリスティアンに取材を行っている。北欧らしいスタイリッシュで洗練された世界観に、思わずクスッとしてしまうコミカルな要素が散りばめられた本作の魅力が凝縮されたビジュアルとなっている。
併せて、好奇心を掻き立てる場面写真が解禁された。「一体どんな状況なんだろう!?」と思わせるミステリアスな写真が揃っております。話題作「ハンドメイズ・テイル/侍女の物語」でゴールデン・グローブ賞に輝いたエリザベス・モスや、『トゥームレイダー ファースト・ミッション』のドミニク・ウェストも捉えられている。
小泉今日子(女優)
お洒落で知的でユーモアのある成熟した大人の映画。
明日は我が身という恐怖を感じながら、俳優たちの名演にゲラゲラと笑ってしまう。
なんだか凄いものを観てしまった。
萬田久子(女優)
時代の流れに対する免疫力は生きていく上での力強さ。そしてサガ。
クリスティアンあなたはどうするの?
彼の魅力がいつのまにか私の心と哲学を♡の形に変えていた。
会田誠(美術家)
現代美術館のチーフキュレーターが主人公のイヤ~な感じの(褒めてます)映画がカンヌグランプリっていう、その構図自体が、あまりに日本と違う(ネット炎上とか同じところもあるけど)。
この善かれ悪しかれの違い、今観ておくべきだと思いますよ。
新谷学(「週刊文春」編集長 )
目を背けたくなるような人間の暗部。逃げるか、向き合うか──。“誠実さ”って何だろう。
小島秀夫(ゲームクリエイター)
丸い地球に暮らす僕らは、実は四角い"聖域"に生きている。
建物、公園、扉、窓。法律、規範。家族、仕事、恋愛、教育。本、絵画、演劇、映画。携帯、
タブレット、モニター、SNSまでもが四角(スクエア)で切り取られている。
四角い"日常"を、映画(スクリーン)という"フレーム"を駆使してじわじわと問い詰め、カクカクになった僕らの価値観や偏見を丸く吹っ飛ばす。
最後には丸裸にされた思いやりの"聖域"がまた額装され、奇妙にもアートとして見えてくる不条理劇。
幾重にもフレーミングされた頭のいい映画。
山内マリコ(作家)
悪夢のようなシチュエーションに、凍りついたり笑ったり。
怖いもの知らずの挑発的な作品!
村雨辰剛(庭師)
福祉国家や平等社会としてよく注目されるスウェーデンですが、
理想と現実には大きなギャップがあり、まだ解決をしなければいけない問題があるということを
面白くとりあげてくれる作品でした。
辛酸なめ子(漫画家・コラムニスト)
ギャラリーで発生する不測の事態や気まずい空気がスリリングで一瞬たりとも目が離せません。
アート以上に人生は不条理だと気付かされました。
シトウレイ(ストリートスタイルフォトグラファー/ジャーナリスト)
人間の倫理や正しさを、低い温度で淡々と突きつけ、問いかけてくる。観終わった後は、まるで低音火傷をしたような気持ちになる。独特の温度の作品。
飯田高誉(インディペンデントキュレーター、森美術館理事)
「ザ・スクエア」は、グローバル化した世界に内在している人種や貧富の格差の問題をたいへんユニークな視点によって描き出したことです。
それは、現代美術に巣くっている欺瞞や偽善、虚構性を暴くことによって、現代社会が抱え込んでいる不条理な矛盾をみごとに浮かび上がらせたのです。
ただし、この映画は辛辣な批評性に満ちているだけではなく、ユーモアが重要な役割を果たしていることが特徴的です。
笑っているうちにいつの間にかユーモアが反転して人間の悲しい性(さが)を浮かび上がらせてしまう、
ここにこの映画の妙があり、感動があります。
原野守弘(クリエイティブディレクター)
この映画に「最高賞」を贈ったカンヌに、「最高賞」を贈りたい。
スクリーンで体験したい、美しすぎるアートディレクション。
小林エリカ(作家・マンガ家)
目に見えない信頼やお金のことをこんなにも切実にそしてユーモラスに描けるなんて!
そして何より映画的にも突出した傑作に出会えた衝撃に震えました。
映画『ザ・スクエア 思いやりの聖域』は2018年4月28日(土)よりヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、立川シネマシティほか全国で順次公開!
監督・脚本:リューベン・オストルンド
出演:クレス・バング、エリザベス・モス、ドミニク・ウェスト、テリー・ノタリー
配給:トランスフォーマー
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