女と男の恋と欲望、嘘と裏切りを乗せて、まわり続ける観覧車。そこから見える景色はうっとりするほど美しい―しかし、同じ場所を回転するだけで、どこにもたどり着けない─夢のように美しい映像で人生の切なさを描いたウディ・アレン監督最新作。安定を願いながら刺激を求め、真実の愛に憧れながら刹那の恋に溺れる主人公ジニーをケイト・ウィンスレット、ジニーが愛する相手、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキーをジャスティン・ティンバーレイクが演じる。
ケイト・ウィンスレットは、ウディ・アレン監督の「最高峰の演技力を誇る女優でないと成立しない」という要望に見事に応え、映画史上最難関の役どころに挑んでおり「最初はどうすればいいのわからなかった」と告白するも、新境地を開拓し、その圧倒的な演技が絶賛されている。往年のハリウッド映画スターの風格があるとアレンに絶賛されたティンバーレイクは自身が演じた役について「彼は偉大な脚本家になるという野望を実現すべく周囲の人々を観察し、その人間性を分析するのが大好きだ。彼らがいつか自分が書く作品の登場人物になると、心のどこかで信じ切っている。また、ミッキーは映画の中でナレーターを務めているけれど、自分と関わったすべての人々をしっかりと把握しているから、その役は適任だ。古いことわざにあるように、すべてのストーリーには3つの側面がある。当事者と相手の見解、そしてその間にある真実。ここではそれが、ミッキーの見解だ」と分析する。
最新アルバム『MAN OF THE WOODS|マン・オブ・ザ・ウッズ』では、全米アルバムチャートで1位を獲得(3作連続1位)し、日本を含む50カ国のiTunesチャートでも1位と大ヒットを果たしたジャスティン・ティンバーレイク。スーパーボウルのハーフタイムショーでは、第35回と第38回に続いて昨年には3度目の出演が叶うなど、ソロのアーティストとしては最多出演を誇る、世紀のスーパー・エンターテイナーである彼が、ウディ・アレンの世界に跳びこみ、新たな挑戦となったミッキーというキャラクター。彼はジニーと恋に落ちたことについて「絶望的なほどロマンチストな彼は、ジニーの"欠陥"を美しく感じる。ミッキーはジニー自身よりも彼女の持つ悲劇的な側面を愛し、精神的に危機的な状況にある彼女に魅力を感じるんだ」と語り、本作で切り開いた新境地に期待が高まる。
時は1950年代、主人公のジニー(ケイト・ウィンスレット)は、元女優で、今はコニーアイランドの遊園地にあるレストランで、ウェイトレスとして働いている。再婚同士で結ばれた、回転木馬の操縦係を務める夫のハンプティ(ジム・ベルーシ)、そして自身の連れ子と観覧車の見える部屋で暮らしている。実は彼女は夫に隠れて、海岸で監視員のアルバイトをしているミッキー(ジャスティン・ティンバーレイク)と付き合っていた。平凡な毎日に失望していたジニーは、脚本家を目指すミッキーとの未来に夢を見ていた。だが、ギャングと駆け落ちして音信不通になっていたハンプティの娘キャロライナ(ジュノー・テンプル)が現れたことから、すべてが狂い始める─。
映画『女と男の観覧車』は2018年6月23日(土)より丸の内ピカデリー、新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督/脚本:ウディ・アレン
出演:ケイト・ウィンスレット、ジャスティン・ティンバーレイク、ジュノー・テンプル、ジム・ベルーシ
配給:ロングライド
Photo by Jessica Miglio © 2017 GRAVIER PRODUCTIONS, INC.