5月8日(火)より開催される第71回カンヌ国際映画祭コンペティション部門への出品が決定している本作。同映画祭出品決定後に初めて“家族”全員が登壇した今回のイベント。映画祭への意気込みや、撮影時を振り返ったエピソードが語られた。
拍手が巻き起こる中で登壇した一同。冒頭の挨拶でリリーは「是枝さんがまた、凄いものを作ったので。是非、この後お楽しみください」と期待を込めた。続けて安藤は「久しぶりにみんなに会えて嬉しい」と微笑んだ。樹木は「もうおばあさんですから、一言で。よろしくお願いします」と笑いを誘った。是枝監督は「まだ出来たてのホヤホヤでですね。ついこの間まで撮影していた作品がもうこういう形で皆さんの前にお届けできて、再来月公開というのは自分でもビックリしているんですけど。どんな風に観て頂けるのか楽しみにしています」と語った。
カンヌ国際映画祭への出品が5回目となる感想を問われた是枝監督は「ちょっとね、色んなことが立て続けに起きていまして、本当に出来上がったばっかりで。自体が先に進んで行っちゃっているものですから、追いつくのに精一杯といった感じです。バタバタしていてまだ喜び合うまで行っていない」と心境を明かした。続けて、本作での新しい発見はあったか問われたリリーは「こんなに長く撮影に参加させてもらったのは初めてだったので。いつもは撮影早く終わらないかなと思っていたのに、今回は終わってほしくないと思う2か月だったような」と語った。
今回“是枝組”初参加となった安藤は「意外でした。是枝組に参加させていただけるとは思っていなかったので、ビックリしました。自分の回りにいる大先輩の皆さんが、俺ら是枝組!みたいな感じでいるので。井浦新さんとか(笑)。ついに私も是枝組の本物を見られるんだ!と思って楽しみになりました」と笑顔を見せる。
撮影時のエピソードが問われ、松岡と佐々木のツーショット写真が投影されると佐々木は「監督の顔です!」と自慢げに答え、松岡は「髪型も似ていて、それで一緒に撮ろうかということで。これケータリングのデザートなんですけど。最初は(佐々木が)お父さん!って言っていたんですけど、監督目の前にいるから監督って言っておきな!と、ブルーベリーを増やしたりなんかして監督に変更した作品です(笑)」と明かした。
最後に是枝監督は「今回本当に、各世代で僕が一番撮りたいと思う上手い役者を集めて映画を作りました。まだ出来上がって間がないんですけど。お話自体はかなりシリアスな話しですけど、そういう濃密な時間をこの役者さんたちと一緒に作れたことが作品の中には讃えられている、みなぎっていると思いますので、是非楽しんでください」と締めくくった。
様々な“家族のかたち”を描き続けてきた是枝裕和監督の最新作は、この10年間考えてきたことを全部込めたと語る渾身作。東京の下町で質素に暮らす家族は、生計を立てるために家族ぐるみで軽犯罪を重ねていた。犯罪でしか繋がれなかった家族の“許されない絆”が、ある事件をきっかけに衝撃の展開を迎える。万引きを重ねる父・治をリリー・フランキー、妻・信代を安藤サクラ、さらに松岡茉優、樹木希林、池松壮亮、高良健吾、池脇千鶴、柄本明、緒方直人、森口瑤子ら実力派俳優たちが集結。真の“つながり”とは何かを問う、心揺さぶる衝撃の感動作に仕上げた。
【取材・写真・文/蔭山勝也】
映画『万引き家族』は2018年6月8日(金)よりTOHOシネマズ日比谷ほか全国で公開!
監督・脚本・編集:是枝裕和
出演:リリー・フランキー、安藤サクラ
松岡茉優、池松壮亮、城桧吏、佐々木みゆ
緒形直人、森口瑤子、山田裕貴、片山萌美/柄本明
高良健吾、池脇千鶴/樹木希林
配給:ギャガ
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