13年ぶりに来日のウェスアンダーソン監督に加えて、ウェス・アンダーソン監督、コーユー・ランキン、ジェフ・ゴールドブラム、野村訓市、夏木マリ、村上虹郎、伊藤晃、池田エライザが参加と豪華なボイスキャストが集結した今回の舞台挨拶。
前日のイベントでも日本好きをアピールしていた日本大好きなアンダーソン監督への日本流のおもてなしとして、劇中でも日本文化の代表として登場する相撲を体験してもらうべく、本格的な呼出による「うぇす・あんだ~そん~」が会場にこだまする中で登場したアンダーソン監督。続けて、ゴールドブラム、ランキンも登場し、“日本流”の歓迎に笑顔の3人。アンダーソン監督は、本作の製作に6年間かけたことから「この6年間はに日本以外のことを考えていませんでした」と感無量の様子。
ここで、アンダーソン監督はファンに向けてのメッセージとして一通の手紙を取り出した。その手紙には「2012年ごろ、アイデアが生まれました」と本作の生い立ちが書かれており、続けて「私と一緒に脚本を書いてくれたりしたコラボレーターがいて、彼らと自分に一つの質問を投げかけました」と言うと、『黒澤さんならどうするだろうか?』と日本語を披露。さらに「努力はしましたが、たぶん答えを出すことには失敗してしまったと思います。でも、この映画は黒澤監督の影響なくして作ることはできませんでした」と日本文化、そして日本の映画を愛するアンダーソン監督の言葉に、会場を埋め尽くしたファンからは歓声と拍手が沸き起こった。
さらにアンダーソン監督の手紙には本作の製作に携わったスタッフやキャストへの思いが込められており、名前が読み上げられると「はい!」という言葉とともに野村、夏木、村上、伊藤、池田ら日本人キャストが次々と登壇。会場のファンからは思いがけないゲストに驚きの声も上がった。
本作ではキャスティング・ディレクターも務めるほどアンダーソン監督と長くともしたという野村は「大変だったけど、みなさんに観てもらえるのはほっとした気分と嬉しいという思い」と笑みをこぼした。また、浴衣姿で登場した村上は「着ている浴衣はウェス監督からいただいたもの。火の玉が劇中に出てくるので」と明かすと歓声が沸き起こった。しかし、収録については「iPhoneのボイスメモでやって、一回だけ録音スタジオに入った」と明かし、「やっと今日、ウェス監督の作品に出てたんだと実感が沸きました」と語った。
「話を聞いたときは情報があまりなかった」という池田は「監督が日本を舞台にして犬の映画を撮るらしいと・・・」とあまりの情報の少なさに驚いたようだが「実際に観せていただいたら、こんなにも日本を思っていて、素敵な形にしてくださる方がいるんだと幸せな気持ちでした」と笑顔を見せた。夏木はベルリン国際映画祭に出品された際に「初めて仕上がったものを観たら、ウェスの映画のパーツの一部になれたと(思た)」と感慨深げに語った。
最後にアンダーソン監督は「長い時間をかけて作りました。ほかの国でも上映がされています。でも、僕にとっては今日がワールドプレミアです。日本の方々に観ていただきたいし、楽しんでいただきたいです」とメッセージを送り、会場は大歓声のままイベントは終了した。
全編にわたり日本を舞台に、失踪した愛犬を探す少年と犬たちの壮大な旅と冒険をストップモーション・アニメーションで描き出す本作。声優陣として、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、エドワード・ノートンらアンダーソン監督作品常連の豪華俳優陣に加え、スカーレット・ヨハンソン、グレタ・ガーウィグ、ブライアン・クランストン、ヨーコ・オノら多彩な才能が集結、さらに日本人ボイスキャストとしてRADWIMPS・野田洋次郎、夏木マリ、村上虹郎、渡辺謙らといった日本を代表する異色なキャスト陣も参加している。
【取材・写真・文/編集部】
映画『犬ヶ島』は2018年5月25日(金)より全国で公開!
監督:ウェス・アンダーソン
キャスト:ブライアン・クランストン、コーユー・ランキン、エドワード・ノートン、ビル・マーレイ、ジェフ・ゴールドブラム、野村訓市、グレタ・ガーウィグ、フランシス・マクドーマンド、スカーレット・ヨハンソン、ヨーコ・オノ、ティルダ・スウィントン、野田洋次郎(RADWIMPS)、村上虹郎、渡辺謙、夏木マリ
配給:20世紀フォックス映画
©2018 Twentieth Century Fox Film Corporation