『ワンダー 君は太陽』のジャパンプレミアが5月31日（木）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、本作で主人公オギー役を演じるジェイコブ・トレンブレイとスティーヴン・チョボスキー監督、さらに日本人ゲストとして藤本美貴、鈴木福が登壇した。

『ウォールフラワー』以来5年ぶりのライにとなったスティーヴン・チョボスキー監督と、『ルーム』以来2年ぶりの来日となったジェイコブ・トレンブレイ。さらに2児の母である藤本美貴と、日本を代表する天才子役として鈴木福が登壇した今回のイベント。

11歳になったトレンブレイは「2日前に東京ディズニーランドに行きました。その後ハリネズミカフェに行ったら、ハリネズミが僕の手に糞をしてしまいました」と笑いつつも、「すごく楽しんでいます！」と笑顔で挨拶。本作では外見に生まれつきの障がいを抱えているオギー役を演じるトレンブレイだが、「僕とは共通していることがいっぱいあると同時に、今までやってきた役と違う」とその難しさを明かし、「小説を読んで、脚本を読んでやりたいと思った」と自ら望んで参加したことを語った。

劇中では母親役をジュリア・ロバーツ、父親役をオーウェン・ウィルソンが演じているが、2人については「オーウェン・ウィルソンは愉快な人で、いつもジョークを言うけど、エモーショナルな演技もできるすごい役者。ジュリア・ロバーツから一番学んだのは集中する、役になるきるということ」と共演者から学んだことを明かした。

イベントの中盤からは藤本と鈴木が登壇。トレンブレイと同じく子役として活躍する鈴木は、「メイクで大変だったことは何ですか？」という質問を投げかけ、トレンブレイは「すごくかゆかった。取りたいと思ったけど、すごく高いのでそれはいけないと思いました。良いなと思うこともあったけど、暑かったです」と常にメイクアップをして臨む演技の苦労を語った。

さらにイベントでは、劇中にたくさんの格言があることから、登壇者全員が自身が大切にしている格言をフリップに書いて披露。初めに出したトレンブレイは「親切さを選んで、いじめを終わらせよう」と書き、「学校で誰もが仲間外れにならないように気を配っています。親切にするのは簡単です。笑いかけるだけ。スマイルから始まると思います」と語ると、会場からは拍手と歓声が沸き起こった。

チョボスキー監督は「人は誰しも自分の見た目を変えられません。でも見方を変えることができる」と書き、「すべての方が違う顔を持っている。持っているものにリスペクトを払うことができれば、世界中の人々が同じようになれる」と映画にちなんだ格言を語った。また、藤本は「嫌なことこそ楽しめ」、鈴木は「笑う門には福来たる」と自身の名前の一部を含む格言を披露した。

イベントの最後には、藤本と鈴木から、チョボスキー監督とトレンブレイに対して劇中でトレンブレイがかぶっているヘルメットをデザインした“ちょうちん”をプレゼント。これにはトレンブレイも大興奮で「部屋に飾ったクールだと思う！ちょうど引っ越したばかりなので、家に帰ってらすぐに飾ります」と語り、チョボスキー監督は「空港を通過するときにどう説明しようかな（笑）」と笑いを誘いつつも笑みを浮かべた。

生まれつき人と違う特別な顔をもつ少年オギーは、幼い頃からずっと母イザベルと自宅学習をしてきたが、小学校5年生になるときに初めて学校へ通うことになる―。主人公・オーガストことオギーを演じるのは『ルーム』で一躍注目を浴びたジェイコブ・トレンブレイ。母・イザベル役をジュリア・ロバーツ、父・ネート役をオーウェン・ウィルソンが演じる。主人公・オギー自身の視点や彼を取り囲む人々の視点など、さまざまな角度から見えてくるドラマが描かれている本作。それぞれ違った個性を尊重し、思いやり、受け入れることの大切さを描いた感動作がついに日本に上陸する。

【取材・写真・文／編集部】