フランスで開催中のアヌシー国際アニメーション映画祭2018で、6月15日[現地時間]に『ペンギン・ハイウェイ』の石田祐康監督とキャラクターデザインを担当した新井陽次郎が「Work in Progress」イベントに登壇した。

6月11日[現地時間]よりフランス・アヌシーで開催中のアヌシー国際アニメーション映画祭。今回『ペンギン・ハイウェイ』が招待されたのは、新作のアニメーション映画について紹介するイベント「Work in Progress(ワークインプログレス)」。

イベント開始前には会場前に長蛇の列ができ、注目度の高さが窺える中で二人が登場。『ペンギン・ハイウェイ』の予告編が上映されると満席の会場からは歓声があがった。石田監督は、自身初の長編作品として「ペンギン・ハイウェイ」を選んだ理由について「少年の目線で、少年の世界を純粋なかたちで描きたかったこと、そして少年からの“お姉さん”にあこがれる気持ちも物語をひっぱる強い力があると感じたし、日常の中に不思議なことが入り込んでくる絶妙なバランスに惹かれた」と明かした。新井は、主人公“アオヤマくん”のキャラクターデザインについて「アオヤマくんは少し背伸びをしていて、同級生のいじめっ子と対立していたりする。同年代から見ると生意気なんだけど、大人から見るとかわいらいしく見えるよう意識した」と話した。

また、新井は壇上でキャラクターを描き、その模様がスクリーンに映し出されるライブドローイングを実施。約5分間で、本作の主人公・アオヤマ君とペンギンが滑らかに描かれていくのを観客は熱心に見守り、完成すると大きな拍手が起こった。世界から注目される作品の、監督とキャラクターデザインを20代の若さで務める二人の話を、フランス中から集まったアニメファン達は終始興味津々な様子で聞き入っていた。フランスでの公開は2019年を予定されており、フランスのほか世界10か国以上での上映が決まっている。

石田祐康監督 コメント

最初は緊張しましたが、お客さんのリアクションから伝えたいことが伝わっている感じがしたので嬉しかったです。フランスの皆さんにも早く作品を観てもらって感想がききたいと思っています。

新井陽次郎 コメント

皆さんに喜んでもらおうと、ライブドローイングは練習もしてきたので、肩の荷が少しおりました。喜んでもらえていたら嬉しいです。

『ペンギン・ハイウェイ』は、『夜は短し歩けよ乙女』、『有頂天家族』など数々のベストセラー作品を持つ森見登美彦の原作を、気鋭のアニメーションスタジオ・スタジオコロリドによりアニメーション映画化。監督は、その才能に注目が集まるクリエイターの一人、石田祐康。声の出演として、主人公アオヤマ君役に、オーディションで役を射止めた若手女優・北香那、いたずらっぽい明るい一面と、ミステリアスな雰囲気を併せもつ“お姉さん”を演技派女優・蒼井優が演じる。

開場前の様子

ライブドローイング

映画『ペンギン・ハイウェイ』は2018年8月17日(金)より全国で公開!
監督:石田祐康
原作:森見登美彦「ペンギン・ハイウェイ」(角川文庫刊)
出演:北香那、蒼井優
配給:東宝映像事業部
© 2018 森見登美彦・KADOKAWA/「ペンギン・ハイウェイ」製作委員会