『猫は抱くもの』が6月21日(木)に第21回上海国際映画祭で上映され、舞台挨拶と記者会見に沢尻エリカ、犬童一心監督が登壇した。

今回本作がノミネートされたのは、国際映画製作者連盟が認定するアジア最大級の映画祭である第21回上海国際映画祭のコンペティション部門。長編劇映画のコンペティション部門としては唯一の日本映画で、本作以外に12本が入選しており、最高賞にあたる金爵賞を競う。そして、6月21日に本作の上映が行われ、急遽上海に飛んだ主演の沢尻エリカと犬童監督が満席の観客の前での舞台挨拶と、50を超えるメディアが集まった記者会見に臨んだ。

舞台挨拶を前に、レッドカーペットを歩いた沢尻エリカと犬童一心監督。登場するやファンクラブのメンバーや現地のファンも大勢詰めかけ200名を越す大歓声の中で登場した沢尻と犬童監督。5時間かけてきたファンもいるというほどの熱狂ぶりだ。そして、1,200人もの観客でソールドアウトとなった「Shanghai Film Art Center HALL 1」の会場では、華やかなGUCCIのドレスをまとった沢尻が登場すると、割れんばかりの拍手と歓声が鳴り響いた。中国国内でもTVドラマ「1リットルの涙」が放映されており、それを機に沢尻は高い知名度と人気を得ている。会場にも沢尻の中国でのファンクラブ“沢尻会”(現在約9000名ほど。2008年発足)の多くのファンたちが詰めかけていた。

今回6年ぶりの主演作を引っ提げて上海を訪れた沢尻は「すごく自分の気に入った作品になりました。その映画が海外で上映されることになって嬉しいです」と挨拶。劇中では吉沢と触れ合うシーンが多いが「ちょっと恥ずかしかったです(笑)」と振り返り、「あまりにも近いので、最初はすごい照れ臭かったんですけど(吉沢さんが)人間だってことを忘れて、吉沢さんが本当に猫っぽく演じてくれたので、猫だと思って可愛がりました」と語った。

また、今回大熱狂の中で迎えられ、“中国進出は?”と聞かれた沢尻は「正直(進出)したいです!中国映画はスケールも大きいし、見ていて本当に凄いなと思うことがたくさんありますので。そういう作品に関わることができたら、私も嬉しいなと思いますし、(出るときは)中国語を勉強したいと思います」とさらなる活躍を期待させた。

今回沢尻は新作の撮影の真っ只中で、当初は予定されていなかった本映画祭への参加。しかし、沢尻の強い希望もあり、至難のスケジュール調整を経ての渡航となったため、日帰りでわずか9時間の中国滞在となったため、記者会見も泣く泣くの中座となった。沢尻は「ファンの皆様との距離がすごく近くて、とてもうれしい気持ちになりました。また上海に来られるように頑張りたいと思います」とコメントした。

本作は、“アイドルの夢を諦めた、妄想好きのアラサー女性”沙織と、“自分を沙織の恋人だと思い込んでいる猫”良男の関係を描いた、ちょっと不思議なハートウォーミングな物語。本作が6年ぶりの主演となる沢尻エリカは、「犬童監督の作品にはいつか出演してみたかった」と出演オファーを即決。自分をうまく表現できず思うように生きられない30代女性のもどかしさを、繊細に表現している。猫の良男の擬人化した姿を演じるのは吉沢亮。メガホンをとるのは、繊細な恋愛ドラマから歴史大作まで幅広いジャンルで演出の冴えを見せてきた犬童一心監督。


映画『猫は抱くもの』は2018年6月23日(土)より新宿ピカデリーほか全国で公開!
監督:犬童一心
原作:大山淳子「猫は抱くもの」(キノブックス刊)
出演:沢尻エリカ、吉沢亮、峯田和伸、コムアイ/岩松了
配給:キノフィルムズ
©2018 『猫は抱くもの』製作委員会