舞台版の演出から映画の監督までを手掛けた鄭監督は「感無量。遠い日のようで、昨日のような気もします」と本作とともにした日々を振り返った。本作では、これまで演じてきた役とは全く違う役柄だったという真木だが「撮影に入らないとわからないことがたくさんあった。感情を抑えるシーンが多かった。」と明かし、「私も、この前のように思うくらい濃厚な時間でした」と鄭監督の言葉に重ねた。
劇中では関西弁も披露している井上だが、「『生活カツカツなんよ』が言いにくかった(笑)」とその難しさを語りつつも、ほかのキャストとのチームワークは抜群のようで、大泉の自転車運転テクニックを「私も運転したけど、なんであんなに蛇行するんだろう・・・」と笑いを誘う場面もあった。
本作のもとになった演劇を北九州まで見に行ったという大泉だが、舞台版では「スタンディングオベーションしました」というほど感動したことを明かしつつも、本作のオファーについては「本当は三姉妹のだれかをやりたかった」と笑いを誘った。
そんな大泉と井上は、撮影以外でも仲の良い様子で、本作に出演するキム・サンホを交えた集まりでは「酔っぱらうと相撲を取っちゃう」と語る大泉に、「しっかりと動画に収めさせていただきました」と明かす井上。さらに「覚えてないんだけどどうだった?」という大泉に、井上は「『ジャパニーズ相撲とジャパニーズ受け身』って言って、一人で受け身していた。アボジ(お父さん)は見てなかったです」と暴露。これには大泉も「日韓の対決実現してないの!?」と大慌てで、会場は笑いに包まれた。
さらにイベントでは、今回舞台挨拶に登壇がかなわなかったキム・サンホからの手紙が読まれ「いろんな意味で大事な体験だった。私のように、良い思い出をたくさん作っておかえりいただけたら」というメッセージに、真木は「キム・サンホさんからそんないい話を聞いたの初めてな気がする。泣きそうになった」と言葉を詰まらせる場面もあった。
最後に鄭監督は「10年前には、今日が来るとは思っていませんでした。スタッフ、キャストに恵まれてこの日が来ました。多くの観客に感謝しつつ、この映画が生まれたと思っています」と10年分の思いを込めてメッセージを送った。
数々の演劇賞を受賞した鄭義信作・演出による舞台「焼肉ドラゴン」が待望の映画化。長女・静花役に真木よう子、次女・梨花は役に井上真央、三女・美花役に桜庭ななみ、さらに静花への思いを秘めたまま梨花と結婚する男性・哲男役を大泉洋が演じる。演出家で、映画界では脚本家としても名高い鄭義信が、本作で初監督に挑む。
【写真/蔭山勝也、文/編集部】
映画『焼肉ドラゴン』は全国で公開中!
脚本・監督:鄭義信
出演:真木よう子、井上真央、大泉洋、桜庭ななみ、大谷亮平、ハン・ドンギュ、イム・ヒチョル、大江晋平、宇野祥平、根岸季衣/イ・ジョンウン、キム・サンホ
配給:KADOKAWA、ファントム・フィルム
© 2018「焼肉ドラゴン」製作委員会