『ペンギン・ハイウェイ』の完成披露舞台挨拶が7月3日（火）にTOHOシネマズ六本木ヒルズで行われ、北香那、蒼井優、西島秀俊、竹中直人、石田祐康監督が登壇した。

今回主人公の少年・アオヤマ君の声を担当した女優の北は「感動だったり、冒険だったり、憧れだったり、全てが詰まった映画」と本作を表現。自身が演じたアオヤマ君については「10歳の男の子の声のトーンが分からなかったので、同世代の妹がいるので授業参観に参加した」というほど気合いを入れて臨んだことを明かした。そんなアオヤマ君が通う歯科医院に勤めるお姉さん役の蒼井は「しっかりした役をオファーいただくことはなくて、貴重な経験をさせてもらいました」と語った。

「この日のために選んできた」とペンギン風の衣装で登場した竹中は、本作で劇場長編作品監督デビューを飾った石田監督について「優しくて、それでいて大胆。ものすごい映画になっている」と大絶賛。そんな石田監督は、この日が30歳の誕生日ということで、登壇者や観客から拍手が送られると「諸先輩方は、男は30からが仕事の勝負だと教わった。頑張らないと」と早くも今後に向けての抱負を語った。

また、主人公のアオヤマ君が10歳であることから、登壇者自身が10歳のころの思い出を聞かれると、北は「とにかくやんちゃ。ダメと言われるほどしたくなる。（アオヤマ君は）少し似ていると思いました」と意外な一面を見せた。蒼井は「『魔女の宅急便』が好きで、赤いカチューシャと黒いワンピースがあったので、私キキかもと思っていた。母が買い物に行ってひとりのときに、カチューシャとワンピースを着て、デッキブラシにまたがって『飛べ！』って言っているような子どもっぽい子どもでした」と明かし、会場からは歓声が起こった。

続く西島は「一度、こっそりと家を抜け出して、自由な気がして走っちゃった」と振り返り、竹中は「運動会で走るのが早くて、テープを1番できるのが恥ずかしくて逆走した」と驚きのエピソードを語り、会場を沸かせた。

さらにイベントでは、“ペンギン・イリュージョン”と題して、ペンギンのぬいぐるみが本物のペンギンになる手品を披露。登場した3羽のケープペンギンに、蒼井は「かわいいーー！！」と笑顔が止まらない様子。

最後に蒼井は「この映画を観て、皆さんがご覧になっている風景のトーンが一瞬でも上がればいいなと思います」、北は「お子様はペンギンがかわいくてドキドキ楽しく観てもらえる。大人の方は、あの頃を思い出して、何か気持ちがクルっと変わって新しい気持ち、優しい気持ちになれる映画」と本作をアピールした。

本作は、『夜は短し歩けよ乙女』、『有頂天家族』など数々のベストセラー作品を持つ森見登美彦の原作を、気鋭のアニメーションスタジオ・スタジオコロリドによりアニメーション映画化。監督は、その才能に注目が集まるクリエイターの一人、石田祐康。声の出演として、主人公アオヤマ君役に、オーディションで役を射止めた若手女優・北香那、いたずらっぽい明るい一面と、ミステリアスな雰囲気を併せもつ“お姉さん”を演技派女優・蒼井優が演じる。

【取材・写真・文／編集部】