第31回東京国際映画祭で「CROSSCUT ASIA #05 ラララ♪東南アジア」と題して≪音楽≫をテーマにした特集が実施されることが決定した。
10月25日(木)~11月3日(土・祝)に開催される第31回東京国際映画祭。2014年の第27回に国際交流基金アジアセンターとの共催で新設された「CROSSCUT ASIA」は、アジアの国や監督、テーマなど様々な切り口でアジア映画を取り上げる部門として、今年で第5回を迎える。1~3回目は「タイ」「フィリピン」「インドネシア」と東南アジアの各国をフィーチャーし、昨年の4回目では「ネクスト!東南アジア」と題して、ブリランテ・メンドーサ(フィリピン)、トラン・アン・ユン(ベトナム)、アピチャッポン・ウィーラセタクン(タイ)ら名だたる監督たちが、自国の若手監督の作品を推薦する特集を実施した。
そして第5回となる今年の「CROSSCUT ASIA」のテーマは≪音楽≫。「CROSSCUT ASIA #05 ラララ♪東南アジア」と称して、フィリピンのラップ、タイのイサーン・バンド音楽、カンボジアの歌謡曲など、東南アジア音楽に注目した様々なジャンルの作品を紹介する。
ラインナップの目玉はフィリピンの怪物的作家ラヴ・ディアスの新作『Season of the Devil』。2009年の第22回東京国際映画祭で初めて日本に作品(短編『蝶は記憶を持たない』)が紹介されたディアスは、それ以降、『昔のはじまり』(2014)でロカルノ国際映画祭金豹賞、2016年には『痛ましき謎への子守唄』でベルリン国際映画祭銀熊賞、『立ち去った女』でヴェネチア国際映画祭金獅子賞を受賞するなど、常に作品が世界中から高く評価され、いま最も注目される監督の一人。真骨頂のモノクロ画面にアカペラの歌が鳴り響く意欲作『Season of the Devil』は、今年の本映画祭全体としても必見の注目作だ。
また、フィリピンの現代社会を歌い上げるHIPHOPや、『バンコクナイツ』でも注目されたタイのイサーン・バンド音楽、カンボジアの各時代を彩るポップミュージックなど、様々な東南アジアの音楽に触れる作品も上映される予定。『グレイテスト・ショーマン』の大ヒットや、今後も『マンマ・ミーア!ヒア・ウィー・ゴー』、『ボヘミアン・ラプソディ』などの公開も控えるなど、音楽・ミュージカル映画が盛り上がっているが、東南アジアの音楽と映画の魅力を堪能できる特集になる。東南アジア各国のロケーションを楽しみつつ、時間や時代の流れも感じながら、東南アジアの現在と歴史紐解く特集「CROSSCUT ASIA #05 ラララ♪東南アジア」に期待だ。
「第31回東京国際映画祭」は2018年10月25日(木)~11月3日(土・祝)に六本木ヒルズ、EXシアター六本木ほかで開催!