『メアリと魔女の花』で監督を務めた『カニーニとカニーノ』の米林監督は、『メアリと魔女の花』の公開からわずか一年での本作の公開を迎え、「ヘトヘトになりながら作りました」と苦笑いを浮かべつつも、その完成度には自信を見せ「カニーニとカニーノの冒険を楽しんでください」とコメント。「どの作品も自信があります」という西村義明プロデューサーの言葉通り、3人の監督が込めた作品に、声優たちがそれぞれの思いを込めたことを口々に語った。
続けて、映画にまつわるキーワードを聞かれ、「歯」を挙げた『サムライエッグ』の百瀬監督。本作で声優を務める坂口も「“歯”が印象的なシーンがあった。観てもらえれば分かっていただける」と含みを持たせた。また、坂口は本作の舞台に縁があると言い、「学生のころに友だちと行っていたお祭りのシーンが出てきたので、懐かしいと思いながら録りました。僕の記憶とは違いがあったので、個人的な懐かしみを思い出しながら」と振り返った。
今回、プレスコという先に台詞を収録する手法を取った同作について、尾野は「アフレコのお仕事をさせていただくのが初めてだった。声優さんっていうお仕事って“すげーな”と尊敬しました。本当にすごいんです」と自身の女優としての演じ方との違いに驚きを隠せない様子。そんな尾野と坂口を両親に持つ役を演じた篠原は「すっごい優しくて感激です!」と語り、二人はより一層の笑顔となった。
次に『カニーニとカニーノ』の米林監督は、本作のキーワードを「カニ語」と挙げ、「長編になってしまいそうだったので、全編カニ語でジェスチャーで表現するようにやってみたんですけど、かえって難しかった」と苦笑。実際に演じた木村文乃は「アドリブが多かったので、どうするかを相談しながら作った。(カニ語を)大人たちが真剣に考えるシュールな現場でした」と明かし、観客の笑いを誘った。
ここで、本作の主題歌を担当した木村カエラが登壇。楽曲について「とにかくまっすぐで、明るい曲にしようと思った。観終わってから口ずさんで、明るい気持ちになるようにしました」と解説し、「親子で観てほしい」という西村プロデューサーの願いを汲み、「親の無償の愛とか、そういうものを入れて、子どもがのびのびと育っていく喜びを表現できたらと思いました」と語った。
イベントの最後には、木村カエラが主題歌「ちいさな英雄」を生披露し、会場に集まった観客を沸かせた。
『メアリと魔女の花』のスタジオポノックが贈る「ポノック短編劇場」第一弾。“子どもたちから大人まで楽しめるアニメーション映画を作りたい”というプロジェクトで、“ちいさなものの中にこそ大事なものが込められている”3つの奇跡の物語が誕生した。カニの兄弟の大冒険ファンタジー「カニーニとカニーノ」、実話をもとに描いた母と少年の愛と感動の人間ドラマ「サムライエッグ」、見えない男の孤独な闘いをスペクタクルアクションで魅せる「透明人間」。小さな涙と優しさは、3つの物語を通して、やがて大きな強さとなっていく―。
【取材・写真・文/編集部】
映画『ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―』は2018年8月24日(金)より全国で公開!
配給:東宝
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